15 / 93

狼が兎に恋する時⑭【狼視点】

「もう、出したい。いい?」  情けないことに早くも限界が近い俺は、もう出したくて仕方なかった。  だって、(わたる)の中は気持ちよすぎるから。  「いいよ。寛太(かんた)、来て……」  でも……と航が俺をしっかりと見つめてくる。その瞳には、固い決意が感じられた。 「お願い、中には出さないで……」  男女関係なく妊娠可能な男のΩ。 大丈夫、わかってるよ。 俺はお前を大切にしたいから。 「わかった。中には出さない」 「ごめんね…」  謝らないでよ。お前は悪くなんかない。  航の首に腕を回せば、俺の体に必死にしがみついてくる。    可愛いね、航。  パチュンパチュンと腰の動きを再開すれば、簡単に快楽の津波にさらわれてしまった。  触れ合う素肌も、唇も……結ばれた熱くて蕩けそうな部分も。 「あぁんん…はァぁ…んあッ…!!」  声すら我慢できずに、ただ気持ち良さそうな航。  ただ、俺に揺さぶられ続けている。  腹に温かいものが飛び散る感覚に、航が絶頂を迎えたのを知る。ただ、もうそれは透明な液体が溢れ出た程度だった。  腰を動かす度に、航の秘部から愛液が溢れ出て来て……グチュクチャクチャと厭らしい音を響かせた。 更に腰の動きを速めれば、もう意識を飛ばしかけている。ただただ、気持ちよさそうで。  もっともっと奥深くんで繋がりたい……と、自分の腰を高く高く突き上げる。   「愛してる」  キスを繰り返して、俺は航の腹の上に射精する。 「あぁ……んあ!!」  そのあまりの快感に、俺は背中を仰け反らせた。  その熱い液が航の頬に飛び散り、航が無意識にそれをペロッと舐める。それを見た俺の下半身が、再び熱くなるのを感じた。 「エッロ……」   俺達の初めての行為は、本当に稚拙でいつか見たDVDの真似事だったけど、俺は幸せで泣きそうになった。  いつか俺は航の首に噛みついて番になりたいんだ。そしたら、運命の名の元にずっとずっと一緒にいられるから。  そんでさ、いつか俺達のアスベイビーに会ってみたい。  なぁ、航。  俺は、お前が大好きなんだ。  幼い俺達は、ずっとこの幸せが続くと思ってた。全く疑うこともせずに……。  でも俺達の幸せは長くは続かなかった。 Ωが手に入れられる幸せはあまりにも脆くて、儚いことを思い知らされる。  あの時、航の制止を振り切り強引に首に噛みついていたら……。  番になってしまったら……。  後悔してもしきれない、そんな出来事が俺達2人を襲うなんて。  今の俺達には全く想像つかなかった。  ただ、ようやく結ばれた心と体……。  その幸せに溺れきってしまっていた。

ともだちにシェアしよう!