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第152話

 一生の骨ばった大きな手が、シャツの裾から入ってきて旭葵の肌をまさぐり始める。  やがてじりじりと這い上がってきたそれは、まだ柔らかい小さな芽を見つけると、指先でこねまわす。  旭葵は反射的に身をよじろうとするが、すぐに押さえ込まれ、一生の手の中で小さな芽は強引に芽吹かされる。  思わず重ねた唇の間から吐息が漏れた。  一生は待ちきれないといったように旭葵のシャツのボタンを外していく。  旭葵はどこか人ごとのようにとろけた頭でそれを見守った。  露になった旭葵のまだ誰にも犯されたことのない肌に、一生はくまなく唇を這わせた。  鎖骨を舌先でなぞり、さっき強引に芽吹かせた芽を焦らすように避けて脇腹におりる。くすぐったくて再びぞわりと身体中のうぶ毛が総毛立った。  旭葵の白い肌に散々熱をまき散らした舌がついに小さな突起を捕らえる。  ねっとりと絡みつかれ、痛いほど固くなった突起から下腹部の中心に電流が走る。  喉の奥から鼻にかかったような声が漏れた。旭葵が半身を大きく反らせると、すかさず一生に肩を掴まれ引き戻される。  執拗に舌先でもてあそばれ、気まぐれに甘噛みをされる。もう片方の芽は指先の愛撫をたえ間なく受け続け、前触れもなく舌と指が交代される。  濡れそぼった小さな芽は空気にも反応してしまいそうなほど敏感になり、旭葵の胸を締めつけた。  息苦しさをおぼえ、大きく空気を吸い込もうとするが、喉が震えて上手くいかない。旭葵の服の下に深く埋もれ、まだ触れられてもいない中心が熱を帯びてくる。  一生は唇を離すと、もっと触れて欲しいと待っている2つの突起を置き去りにして、ハーフパンツから顔を出している旭葵の膝小僧にくちづけた。  そこからふくらはぎの内側を辿って足の甲へと舌を這わせる。浮き出た骨の峰を渡り指先で行き場を失うと、いきなり先端を口に含んだ。  くすぐったくて足を引っ込めようとするが、許されず、その間にも一生は指の1本1本を舐め取っていく。 「こっ、こんなことっ、どこで覚えたんだよっ」  一生が旭葵の全く知らない一生に思え、声を出さずにはいられなかった。 「どこで覚えたわけでもないよ、俺がこうしたいだけ、アサの全てが愛おしいんだ、食べてしまいたいくらいに」  そうして一生は時間をかけて10本の指を食べ尽くすと、自分の着ているシャツをおもむろに脱ぎ捨てた。  薄暗くても分かる、弾力のある筋肉に包まれた身体が現れる。  一生の上半身なんて見慣れているはずなのに、こうして薄暗いベッドの上で対峙すると、同じ男同士なのに目のやり場に困る。  戸惑う視線が次に見つけたのは服の上からでもはっきりと分かる、一生のそそり立ったそれだった。窮屈そうに服の中で膨らみ、今にもはち切れんばかりに旭葵を求めていた。

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