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第157話

「アサ……」  そうして今まで届かなかったさらに奥へと楔が打ち込まれる。  今度は勢いをつけるために少し引いただけで、すぐに突き上げてくる。何度も、執拗に奥へ、奥へと開拓を進める。  とろみと一生の先走りの蜜が混じり合い旭葵の蕾が卑猥な音を立てる。  楔が打ち込まれたところがわずかに疼き始めた。その疼きが消えぬうちに次の楔が打ち込まれ、身体が跳ねると今までとは違う声が出た。  それを合図に一生は同じ場所を立て続けに責めてきた。同時に勃起しかけた旭葵のそれを一生は手でしごいてくる。  一気にはっきりとした快感に火がつく。小さな口から蜜が溢れ出て、それを潤滑油にしてしごき上げられる。  それだけは終わらず、一生は旭葵の固く尖った芽をキツく吸った。3ヶ所から押し寄せる快感に声が止まらない。  その声に興奮した一生は腰を躍動させ、旭葵を快楽の嵐へと連れ去る。  そしてついに旭葵は2度目の絶頂を迎えた。  一生の手の中で旭葵が再び熱を放ったその後も、一生は旭葵に楔を打ち込み続けた。  次第に身体のどの部分から生まれた快楽よりも大きな快感が渦となって現れる。快感は波紋となって旭葵を呑み込もうとする。一生の強靭な律動に揺さぶられ、その声ははっきりと喘ぎ声に変わっていた。 「いっせい」 「アサ」  一生が顔を近づけてくるが、激しく揺れ合う2人はくちづけては離れ、お互いの荒い息を吸いながら唇を擦り合わせることしかできない。  激流に呑み込まれる木の葉のように、2人は抱き合い快楽の渦へと呑み込まれていく。  そうして、ひときわ一生の動きが激しく速くなると、 「アサ……」  一生が低く唸った。旭葵の中で一生が大きく脈打った。それに呼応するように旭葵の奥から稲妻のような快感が頭の先へと突き抜けていった。  2度、3度、一生は旭葵の中で悶え、体温より熱い樹液を吐き出した。  旭葵の内側は快楽の余韻に痺れながらも、それを逃すまいとヒダの1つ1つが吐き出された白濁を包み込み、まだ離したくないとでもいうように一生のそれに絡みついた。  いつの間にか花火の音は聞こえなくなっていて、羽を震わせる虫の鈴音が聞こえていた。  一生はすがられるそれをズルリと引き出すと、旭葵にくちづけた。  そうして旭葵の上からおりると、そのまま横たわり旭葵を抱き締めた。  乱れた呼吸に胸が大きく膨らんでは萎む。次第にそれはおさまり、汗ばんだ皮膚だけが情事の余韻を残す。

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