569 / 1214

みぃ27歳、佐久間に甘える

しばらく過去を思い出していた佐久間だったが未羽がごそごそと動きだし、思い出すのをやめた 「みぃ起きた?」 「ん?…んー?」 「みぃ、寝ぼけてたりする?」 「うー…あー、、紫苑くんは?」 佐久間は未羽の鼻を人差し指で押し 「起きたみたいだな?可愛いやつめ。紫苑は先に病室に戻ったよ。みぃも病室戻る?」 「戻りたいけど…戻れない」 「何それ」 「だって…疲れちゃった……」 「じゃあ元気の出る飴ちゃんあげる。あーん」 佐久間はポケットからいちごキャンディーを取り出し未羽の口に放った 「あーん。ん、おいしい…けど、低血糖じゃないと思う」 「どうした?もしかして甘えてたりする?」 未羽は素直に頷き、両手を佐久間に伸ばし 「紫苑くんだけずるい」 「ははっ。15歳にヤキモチ妬くなよ、みぃ」 「だって」 「みぃが寝ちゃってたりで記憶に無いだけで、みぃも抱っこしてたんだけどな」 「知らないもん」 「分かった分かった。じゃあ抱っこで病室戻ろっか?」 「ん」 佐久間に抱きあげられて未羽は嬉しそうに笑い、佐久間の首に手をまわした 「んじゃ、戻りますか」 処置4を出てしばらくすると、未羽は佐久間に擦り寄り 「おにいちゃん…」 「んー?まだ寝ぼけてる?」 「違う、迷子のときありがとう」 「あー!そのことか。どういたしまして」 「もうひとりのおにいちゃんは?」 「臣?いま、ルームシェアしてるよ」 「一緒に住んでるの?」 「そ。家賃折半の方が安上がりじゃん?それで浮いた分他のことに使えるし」 「え…でも、先生37歳だし1000万近くもらってるんじゃ…節約する必要ある?」 「ある。ここぞって時は使うけど普段は質素倹約でいいんだよ。って…この話おしまい」 「分かった。ね、先生?臣…さんって小児科にいるんだよね?」 「そうそう。院内保育士してる」 「小児科実習で会ったのかな?覚えがない」 「あー…ちょうどその頃、外部研修でいなかったと思う。みぃはさ少年棟の研修終わったら小児科に行くんだよな?」 「うん。小児科医志望だから。1年後は小児科に行ってる」 「じゃあそん時には会えるんじゃない?」 「ちょっと楽しみかも」 「可愛いがってくれるよ。面倒見いいから」 6号室の前に着き、中に入ると佐久間は未羽をベッドに寝かせ、布団をかけた。 「帰る前に顔見にくるけど、ゆっくりしてな」 「うん、ありがとう」 未羽は佐久間に笑顔を向け手を振った

ともだちにシェアしよう!