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品定めって何するの

 床に落ちてるゴミを拾って、弁当のゴミが入ってる袋に入れ、まとめたいから大きなゴミ袋の場所を聞こうとしていたら呼ばれた。  そこだけは綺麗にしてるベッドの上に腰掛け、隣を叩いている。こっちって事は、こっちに来いってことだよね。 「品定めするって言っただろ?家のことは後でいいからこっち」  品定めって何だろう。  さっき言ってたソープと関係あるのかな。ゴミと服の山が気になるものの、借金を返す側の俺には選択権はないんだろう。 「品定めって何するの?」  隣に腰かけるとシャツのボタンを外されていく。綺麗な長い指だな。綺麗な指が、ちょっと不器用そうな動きをするから笑いそうだった。これって、健康診断的な何かかな。健康じゃないと働けないもんね。  「うん。綺麗な肌してる。腹筋も適度についてて引き締まってるし、色白な子が好きな人もいるから需要あるよ。感度はどうかな?」  健康診断なのに、急に乳首を左右交互に弾かれ変な声が出た。 「なぁ遼一、これって健康診断じゃないの?」 「………ぷっ。違うよ。ソープで働く前の品定めって言っただろ?」 「だから。そのソープって会社?で働くんでしょ?俺昼間は普通に仕事してるからね。仕事終わった夜の時間で出来るような仕事なんでしょ?」 「えっ、……もしかして、瑞希って全然遊んでこなかった?」 「遊び?まぁ、親が金借りて頑張って自営業してたんだから、俺も自分の仕事以外の空いてる時間は手伝うの当然でしょ。昔なら友達と遊んだ記憶はあるけど……」 「そういう事か。くくっ。なんだ。ソープってのは、お客様とこういう事するんだよ」  綺麗な顔が近づいてきたと思ったら口を塞がれた。ぬめっとした舌が唇の中に入ってこようとしてる。わわわっ、これってキスだよね。  こういう時は目を閉じるんだよね!えっ、ソープって、もしかしてそういうとこ?お客様とキスしてお金もらうの?遼一の舌は遠慮なく俺の唇の中にまで侵入してきた。  正直、忙しくて彼女がいた事がない俺には刺激的すぎた。つか息できないし、苦しい!遼一が俺の舌まで吸いだすから余計に、そう、酸素を奪われてる感じだ。  苦しいし変だ、舌を吸われてるのに背中も下半身もゾクゾクする。気が遠くなってく…。酸素とられてるせいだ…。酸素返せよ遼一…。  

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