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好きだから、アナタのために2
***
智之さんから与えられる気持ちよさで、何度も腰が浮いてしまう。しかも彼が両足を持ち上げて僕を責めているせいで、あまり動かすことができず、そこから逃げられなかった。
「ふぅっ、あぁ……」
「聖哉、ココがいいんだろ?」
両想いになってすぐに、僕は智之さんを受け挿れた。はじめはすごく違和感があってつらかった行為だったのに、今現在は快感を覚えるものになっていて、自然と喘ぎ声が漏れ出てしまう。
「やっ、ともゆ、きさっ!」
大きくビクついた僕を見、智之さんは腰の動きをゆっくりと前後させて、焦らしにはいる。
「はあぁ……ンン、うっ」
気持ちいいところにギリギリ当たらないそれに、もどかしさを感じた。
(智之さんの動きに合わせて、腰をちょっとだけ動かしたら、きっと当たるんだよな)
「聖哉どうした?」
「智之さん……」
「右手、俺に伸ばして」
このタイミングで強請られたことは、難しいものではないものの、間違いなく僕が感じることをするハズ。
シーツを掴んでいた右手を恐るおそる差し出したら、甲にやんわりとキスを落とす。
カーテンの隙間から入りこむ月明かりで、智之さんの顔に陰影ができ、いつもより格好よく見えるせいか、僕の胸を高鳴らせた。
「聖哉、感じてるおまえの顔、すごく綺麗だ」
智之さんだけじゃなく、僕のこの卑猥な姿を月明かりが照らしているおかげで、そんなふうに見えることに照れてしまう。
ちゅぅぅっ!
「ぁあっ!」
右手の人差し指が、智之さんに優しく吸われた。口内に忍び込んだ人差し指に肉厚の舌がねっとりと絡みつつ、智之さんの腰の動きと連動して前後する。
「智之さん、なんかいやらしぃ……」
「じゃあやめるか?」
そう言ったのに口から出した僕の人差し指を、指先に向かって下から上にぺろりと舐めた。
「んあっ」
ざらついた智之さんの舌を指先で捉えた瞬間、ゾクリとしたものを感じ、僕自身から汁がたくさん溢れ、腹をしとどに濡らす。
「普段ピアノに触れる聖哉の指は、すげぇ敏感にできてるからな」
「わかってて、そんなこと……あっん!」
ふたたび指先をちゅっと吸われながら、智之さんの大きいのがナカの感じる部分にダイレクトに擦れた。
「好きなヤツを感じさせたい俺の気持ち、わかってくれよ聖哉」
「僕だって、智之さんを感じさせたい、です」
智之さんに感じさせられてばかりで、余裕なんて全然ないけれど。
「智之さん、僕でいっぱい感じて」
吸われている人差し指を口から無理やり出して、形のいい智之さんの上唇をなぞった。キスしたり僕の感じる部分に触れる唇。柔らかくてあったかいだけじゃなく、とても優しいそれに、何度も溺れそうになる。
「聖哉にそんなこと言われたら、もう一度だけヤる羽目になるが、いいのか? これで終いにしようと思ったのにさ」
時刻は午前2時半過ぎ。午前中に仕事のある僕は、本来ならもう寝ていなければならない時間だった。
「智之さんをひとりじめしたい」
だけど今の僕は智之さんが好きすぎる上に、ふたりきりになれる時間が限られているせいで、こんなセリフが出てしまう。
「そんな顔で強請られたら、叶えてやりたくなるだろ。覚悟しろよ」
人差し指で触れる智之さんの唇が、僕の唇に重なった。強く押しつけられるそこから指を外し、智之さんの首に両腕を絡める。両足はがっちりした腰に巻き付け、隙間がないくらいにふたりの躰をぴったりと重ねた。
こうして僕らは今夜も愛を語らいながら、心と躰をひとつに合わせたのだった。
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