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第38話

あああ、もう今日は仕事少なくてほんと助かった。 朝起きたら脚はガクガクだし、ケツは痛いし、いつの間にかシャワー浴びてたみたいだし、美味しい朝ごはんはできてたし。 仕事が終わって、さーて、晩飯食べて帰ろうかな、って梵の扉を開けたら 「げっ、かーちゃん。なんでいるの?」 かーちゃんと平さんと雪兎が一斉に俺の顔を見た。 「なによ、来ちゃいけないの?」 「別にいーです、はい…。タイラさん、牛丼ちょーだい。(つゆ)だく、温玉と紅ショウガのせてー」 「はいはい」 かーちゃんの隣のカウンター席に水とおしぼりが置かれて、座れと合図された。 みんなして俺の顔見てるけど、なんかついてんのか? 「祝いのとこ泊まったんだろ?どうだった?」 料理の手を止めずに平さんが話し掛けてくる。 「へ?」 どうだった?それは、感想を聞かれてるのか? 言うのか?ネコって凄え、とか? でかくて無理って思ったけど途中から気持ちよすぎて記憶ないとか、そういう話? 思わずその時の事を思い出したら、ドキドキして顔が熱くなった。 ええ?何でドーテ―みたいな反応してんの、俺? チェリーなんてとっくに捨てたはずだぜ! 「…もういい、わかった勘助」 かーちゃんが静かに言った。 「初めての朝帰りがバレた元処女みたいな反応されると、怒る気なくすわ」 「え?俺かーちゃんにも、平さんにも処女だったって言ってないよね?」 「「…『だった』って過去形で言うな、生々しい!」」 かーちゃんと平さんがハモった。平さんは笑ってたけど、かーちゃんのジド目が怖い。 「そこら中についてるキスマークをみりゃ何があったか誰にでも分かる」 「43万…」 平さんがかーちゃんに言った。 「43万…値段交渉に応じなきゃよかった。今から100万に戻せないかなー」 「お前、あいつが手を出さないと思ってたなら甘すぎるぞ。こいつを見ろよ、この見てくれで無頓着、無防備、無警戒、無差別に親切で流されやすいし、人の話聞いてすぐ説得される。狼に羊差し出すようなもんだよ!」 無差別に親切?褒められてる? 話しながらもサクサク手を動かして作ってくれた(つゆ)だく牛丼を受け取り、二人の漫才を聞きながら小さい声でいただきますした。 唐辛子かけようとしたら、カウンターの向こうから瓶を取り上げられた。 「ケツ痛いやつは刺激物禁止!」 俺の健康管理までしてくれるなんて手厚いケアだな、平さん。 汁だくご飯をかき込んでいると後ろで扉が開き、誰か入ってきた。 「よお、きたな。勘助回収か?」 早足で近づく音に気付いて、振り向こうとしたら後ろからベアハグされて、頭をすりすりしてくる。 ぐぇ、このでかいのは…

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