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ハジマリ⑨*

擽ったくて目を細めると、鎖をぐい、と引かれた。 座って、と弟は自分の太股を示しながら告げる。 やっとあらぬ場所のものを取って貰えると、期待に胸が熱くなった。 僕は立ち上がると大人しく弟の膝の上に座る。 弟に背中を剥けて腰を降ろした。 「お兄ちゃん、気持ち良かったでしょ? またしようね」 「んぁ? な、なんで、扱くんだよっ」 僕の肩に顎を乗せ、弟は僕を抱き締めるようにして股間に腕を伸ばす。 その手は悪戯に竿を握り上下に動く。 慌てて背後を窺うも、弟はヘラヘラと笑っていた。 「痛くないようにだよ」 優しく囁かれた言葉の意味も理解出来ないぐらいに、僕は快感で頭が一杯だった。 「ひっぃあ、ぬい、ぬいてっ」 「はい、抜くよー」 懇願するように叫べば、弟は躊躇なく一気に引き抜いた。 尿道を擦られて痛い筈なのに。 痛気持ち良い感覚を覚えてしまったせいか、僕の体は管が抜ける瞬間、有り得ないぐらいに感じてしまった。 「っ、ぁっあっ、ひあぁあっ」 管が抜けた途端に、ぴゅるぴゅると精を放出しているのだった。 「あっあっ、どうしよっ、とまんなっ」 しかも、白濁液を出し切り、びくんびくんと震える亀頭から、じょぼじょぼじょーー、と尿まで飛び出してしまったのだ。 弟の見ている前で、僕は放尿していた。 「あーあ、いい年しておもらし? 恥ずかしいね、お兄ちゃん。そんなに気持ち良かったの? お風呂場で助かったね」 あう、あ、と最早言葉にならない喃語のようなものしか出てこない。 羞恥で顔を挙げられなかった。 「綺麗にしないと」 弟はそう呟くとシャワーヘッドを掴んで尿が広がるタイルに水を流す。 そして、僕の股間から足に掛けてお湯をあてた。  これで終わりだと、僕は思い込んでいたのだが、まだ終わりではなかった。 「さて、お兄ちゃん。浄めの作業を再開しようか」 にっこりと笑顔で告げられた言葉に、驚愕に言葉を失う。 「さっ、さっきのは」 「アレは、ちゃんとご挨拶出来なかったお仕置きでしょ?」 じゃらじゃら、と音を立てて鎖を扉の取っ手に括り着ける弟を茫然と見ていることしか出来なかった。 体のあちこちが、ずくずくと痛んでいる。 これから起こる出来事に恐怖を感じはしても、弟の膝の上から逃げる術を、僕は持っていないのだ。  ガタガタと震える僕の体を、弟はぎゅうと抱き竦めた。 まるで大事なものを抱えているようだ。
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