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『今日からお前達の担任になる』 入学式初っ端からヤル気のないドライなオーラを放っていた担任。 黒髪で、眼鏡で、愛想がない三十路の社会科教師。 こいつ生きてて楽しーのかな。 入学式初っ端から、さも素行が悪そうな外見で目立っていた岬は棒付きキャンディを舐めながら無気力そうな担任を嘲笑したものだった。 『今日提出期限のプリント? んなモンあった?』 ことあるごとにコケにしてやった。 馬鹿にしてやった。 志摩センセェ、腹抱えて笑ったりすんのかな。 好きな食いモンとかあんのかよ。 真面目そーで根はすけべーそな女がタイプっぽいよな。 高校生活が始まって一番目に興味が湧いたのは無愛想な担任だった。 『中村、次の章、読んでくれ』 『『はい』』 『あーー……今返事しなかった中村が読め』 『はあ? それって隣のクラスの中村も入んねぇ? どの中村かわかりませーん』 自分も含めて中村姓が三人いた教室、岬がそう茶化せば志摩は。 『岬、読め』 岬の名前を読んだ。 初めて志摩に名前を呼ばれた岬は、小学校で習う漢字をことごとく間違えつつ社会科テキストをお経さながらに読み上げた。 俺だけ名前呼びかよ。 ふーーーーーん。 俺だけ、か。 『岬、周りが迷惑する、音楽聞きたいんならイヤホンにしろ』 授業中にスマホで音楽アプリの曲を流していたアホアホ岬に、居眠りや飲食はスルーする志摩でも、さすがに注意を入れた。 それでも曲を流し続ける岬に肩を竦め、彼の席へ、手にしていたスマホを取り上げて再生を停止させた。 『次やったらアンインストールするからな』 お、今日、初めて目が合った。 もっと俺のこと見ろ、志摩センセェ。 もっと見て………………。 「デート、確かにめんどくさいよ、人ゴミ嫌いだし、でもゴムはちゃんとつける、結婚するつもりもない相手が妊娠したら、それ考えると勃つどころじゃないだろ?」

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