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第31話 梓side

知らないふりをするって決めた。だから昨日のことはまるで何も無かったかのように振舞ってる。 組員さん達と遊んだのも、最近の運動不足解消の為もあるけれど、嫌なことを忘れるには持ってこいだと思ったから。 そんなことも知らないで、黙々と仕事をする志乃。······それでも格好良いから腹が立つ。 さっきキスをして、志乃の手が俺から離れてしまった時は、ついついその手を掴みたくなった。 まあ、そんなことはしないで、今は俺の大好きな志乃の匂いがするベッドに寝転んで、枕を抱きしめている。 それにしても、さっき志乃が怖い顔をしていたのは何でだろう。また仕事で危機的な状況にあっているのかと思ったけど、慌てる素振りはないから違うみたい。 タンッ、とパソコンのエンターキーを押す音が聞こえる。 「······終わった」 「お疲れ様!」 志乃の声が聞こえてきたから、急いで志乃に駆け寄り、膝の上に乗って抱き着いた。 ああ、やっぱり、本人の匂いを嗅ぐのが一番いい。 「暇だっただろ。どこか行くか?」 「ううん、志乃は疲れたでしょ?ちょっと休んで」 「······触りたい」 「それは駄目ー!ほら、休みなよ」 そう伝えたのに志乃の手が俺の服の裾から入ってきた。その手を叩くとキスをされて、離れるのが嫌になってしまう。 「ちょっとだけ」 「······でも、みんないるでしょ」 「誰も来ない」 肌を撫でる手がだんだんと上がってきて、乳首に触れる。 「ぁ、待ってよ······」 「待てない。······駄目なのか?」 志乃の唇が首筋に触れる。ちゅ、ちゅっ、となる音が厭らしくて興奮しちゃう。ここには幹部の皆さんもいて、親父さんだって、志乃のお母さんの愛美さんも、皆いる。 「やだ···。見られたら恥ずかしい······それに、声だって···」 肌を撫でていた志乃の手を取って、服の中から出させた。そうしてその手にキスをする。 「帰ってからにしよう?そしたら俺も、志乃に集中できるもん。今は周りのことが気になって······。兎に角駄目、今は駄目。」 「···わかった。我慢する」 「いい子」 掴んでいた手を頬に当てる。志乃の熱が移ってくるのが心地良い。 「けど今日は夜に立岡がくる。あいつと話をするまで帰れない」 「そうなの?あれ、今立岡さんは何してるの?」 「さあな。あいつのプライベートは知らないし、興味が無い。」 同級生で仲間のはずなのに、すごく冷たいや。

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