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第6話

「食べたー!結構量多かったね」 「うん。でもすごく美味しかった···パンケーキ、久しぶりに食べたから」 「そうね!あっ、それよりご馳走様。服もプレゼントしてくれたのに···本当、ありがとうね」 ザワザワ、ずっと気持ち悪い。息が詰まって足を止めると、花楓が訝しげに俺を見た。大丈夫って軽く笑ってみせる。 「······梓?」 「大丈夫だよ」 「···ちょっとここ座りなよ」 何だこれ。何に対してかわからないけど、怖くて、言葉じゃ言い表せない。 「ちょっと電話するね、待ってて。」 「うん」 せっかく久しぶりに会えたのに、こんなの嫌だな。 「ごめん、ちょっとここで待ってようね」 「え?···うん。」 すぐに花楓が戻ってきて、俺の隣に座る。 花楓は優しい顔で俺に話しかけた。 「私ね、ずっと槇村のこと、心の中に残ってるの。」 「あ···」 「あいつがあんたに悪い事したって知ってる。だから志乃さんが私に協力を求めて、私も手を貸した。······おかげで槇村はもうあんたに会えない。そうでしょ?」 槇村の事を話されるなんて思ってなかった。だから驚いて反応が出来ないでいると、花楓が俺の手に触れる。 「私、槇村とは一応友達だった。でも梓との方が仲良かったし、あんたに悪いことしたから、志乃さんに手を貸したんだけど、これであってたのかなって、悩んでたんだあ。」 「···ごめ、」 「違う違う!あのね、この話をしたのはあんたに対して、眞宮志乃は槇村とは全く違うのかなって、確認できたから。」 「······どういうこと?」 話をしていると、俺の前に2人の強面の男の人が現れた。驚いている俺とは裏腹に、花楓は落ち着いている。 「だって、あんたの様子がおかしいって言えば、すぐに駆けつけてくれるんだよ。あんたのこと、誰よりも大切にしてるって、わかるでしょ?」 強面の人の奥には、志乃がいた。 少し焦った様子でこっちに来て、頭を下げる男の人に軽く声をかけると、すぐに俺の前に座り込む。 「どうした」 「···え、っと」 「嫌な感覚がするみたい。たまに辛そうにしてるの。息が詰まったみたいな······。どうしたらいいのかわからないし、1人で帰らせるのは···ほら、護衛がいてもちょっと心配じゃない?だから呼んだの。」 花楓が俺の代わりに志乃に話をしてくれる。 志乃は花楓の言葉を聞いて「ありがとう」とお礼を言っていた。 「こちらこそ。梓と遊ばせてくれてありがとう。また梓のこと、遊びに誘うけど良い?」 「ああ。」 「よかった。梓、今日は沢山ありがとう。家に帰ってゆっくり休んで。私のことは全く気にしなくていいからね!」 花楓の優しさに泣きそうになって、お礼を言ってから志乃の肩に顔を埋めた。

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