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野良猫の威嚇

-蓮side- ほんの少し唇に違和感と温もりを感じてうっすら目を開けると鞄を持った要の背中が見える。 パシッ バフッ 「んわっ…なーんだ起きてたの?もしかして…寝たふり…?」 去ろうとする要の腕を掴み引き寄せる。 足にあまり力が入らないのか後ろに倒れ込むも案外すっぽりと自分の中に座り収まってくれた。 「今起きた。何も言わずに勝手に出てくのか?」 「ごめんなさい、疲れてると思って…それにこれからバイトもあるし」 「そんなフラフラな体で?」 「発情期中のΩはさ、結構高いお金払ってくれる人が多いんだ。まぁその分多少荒くされたりとかはあるんだけど、それもΩだししょうがないっていうか…」 後ろから包み込むように抱き顔を覗き込むも全然目を合わせようとしない。 「あ、でも気持ちいいの好きだし痛いのも割と平気だし、時給もいいからちゃんとした生活はさせてもらってるし」 「ちゃんとした生活しててどうしてこんなに軽くて細いんだ…?」 要を家に連れてくる時本当に男の身体なのかってくらい軽くて驚いた。 少し骨張った細い指先を触りながらも不安が募る。 「だから大丈夫だってば…!」 要はパシッと手を払いのけ立ち上がる。 「あ…ごめん、なさい…お礼に何かしたいけどお金とか払えないし…出来ることなら何でもする、から…考えたら一週間後ぐらいに店に来て。お世話になりました…!」 逃げるように名刺を手渡しては、そそくさと若干ふらつく足取りで帰っていった。
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