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第208話・最高のアクシデント

「……永、………っ…」 急くように求めてくる永に、流石に異変を感じた隼人。 このまま肉欲に溺れていたいが、一度気になってしまったからにはどうしようもない。 永の動きを止めようと抱き起こして座った自身の上に永を座らせる。 「──── あぁっ!」 自重で一気に最奥に当たったのか、永はまた達してしまった。 その締まる刺激から隼人も中へと吐精してしまう。 「………んっ」 しばらくグッタリしていたが、呼吸が落ち着いてくると永は動き出す。 「コラ、永…やめろ」 隼人は腰を掴むと動けないよう力任せに固定した。 「…………どうした?」 「……もっと…」 「何かあったか?」 隼人の言葉に永は顔を上げ目線を合わせるが、切なげに見つめたまま何も言わない。 「隼人さ………」 「ん?」 隼人の首に腕を回し、しなだれるように抱きついてきた 。 「オレと会えて……、良かったですか…?」 「永?」 「オレみたいなので………良かったですか?」 永の言っている事がわからない。 今夜みたいに大胆で、こんな事を訊いてくるなんて今まで無かった。 …………何かに不安を感じているのだろうか。 元々自信を持ちにくい性格だ。何かの拍子に折れてしまう事もあるだろう。 なら、事情は後で。 今は慰めることに専念しよう。 不安を取り除いてやりたい。 「会えなかった時の事なんて考えらんねぇ…」 永の頭を撫で耳元に優しく囁く。 「最高のアクシデントだよ。お前との出会いは」 「……本当に…?」 永の身体が微かに震える。 「ああ。一生分の運を使っちまったかもな」 「………っ…」 震える背中を撫でる。淫靡なものではなく、宥めるように…。 震えていても永は涙を流していなかった。 目いっぱいに溜めて堪えている。 「泣きたいなら泣け」 言っても永は首を横に振るだけだった。 そして再び……、 「…もっと」 と隼人を求め始める。 隼人も、今は永の思う通りにさせようと、甘い誘惑に堕ちていく。
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