97 / 119

第98話

少し歩くと車道に出る。左に上るか、右に下るかといった所だ。車はたまにとおるが、概ね静かで鳥の鳴き声が爽やかだ。 「右に下ると街に出るんです。街といっても、全然都会じゃなくて、ドラックストアとか、ファミレスとか、あと美味しいレストランもあるにはあるんですけど…あとスーパーと、コンビニかなぁ」 アレクが苦笑する。 「結構いろいろあるんだね」 「うーん、俺からしたらまだまだかな、それに遠いから車じゃないととても…」 やれやれと肩をすくめる。 「そうなんだ、こっちは?」 「あ、そっちは住宅が少しあって、あと公園があります。あと山と墓地…あはは」 「墓地?」 「あ、もしかして怖いのだめですか?秋彦様」 「ちょっと…ははは」 ひきつり笑いをからかわれる。 「まぁ、墓地はともかく、公園は綺麗なのでオススメします」 「ふーん、じゃあ行ってみようかな」 「ご案内します!」 ふと視線を感じて振り返ると、屋敷の窓辺に人影が見えた気がした。 「秋彦様?大丈夫ですか?」 「あ、うん」 首輪を取って、持ってきた茶色のショルダーバッグに入れた。
いいね
笑った
萌えた
切ない
エロい
尊い

ともだちとシェアしよう!