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第19話 内緒のお仕事

「兄ちゃんの愛が痛いほど伝わってくるよ!」 「このドM雄豚野郎が! 炙るぞ?」 「愛の炎でメラメラ~きゃっほーい」 (こいつはドMだから何言ってもポジティブに取りやがる。ッチ――相手するだけ無駄だな。多分だけど、こいつが俺のオナっている声を晒すとも思えないし。相手しなけりゃいいか) 「はるー、そろそろ時間なんだけど、あの毒舌野郎は落とせた? あ、ヤバ」 「姉ちゃん、ちょーっといいかな? いいよね? 人の部屋に入って仕掛けするイケナイ雌豚を叱ることぐらい許されるよね? ねぇ~お・ね・え・さ・ま」  無駄にニコニコ笑う僕。こんなに笑うのはいつぶりかな? アハハハ。プッツンしちゃったよしちゃった♪ 「いや、ほら、弟の事把握するのが姉の役目ってやつよ? ね?」 「どこに仕掛けたか言えや。今度やったら姉貴の好きな女子にバラすぞ?」 「あら私はいたくないわよ? 秘密にしてることなんてないもの!」 「ふーんじゃぁ、咲さんに言っていいんだね。この間、連れて帰ってきた女子中学生さんの事。ふふふ。早速言ってくる――」  姉貴はすっごい顔色でがくがく震えだす。ビンゴだな。咲さんは姉貴の彼女のホンカノ。遊んでることを知ったら泣くんじゃなくて、再教育って言って、口では言えない事されるに違いない。あの人怖いもんね。  さてどうしようかなぁ。 「あ、あ、あ、……ごめんなさい。ごめんなさい。言わないでください。咲は……あかん。あかん。ごめんなさい。侑様。ジュースデモ飲みませんか? おごります。」 「知らない。んで、何が頼みなの? 言ってみて」 「侑神さま! 御慈悲を! 私の働いているメイド喫茶でもう一度、いあ、ちょっとの間働いてくれないでしょうか?」 「んー時給次第で考えてもいいけど?」 「マジ?」  お金はあるに越したことはない。先輩と遊べるじゃん。財布すっからかんとかハズい。  先輩は僕が養うんだから!  養ってあげたい。もう、そのためだったら手段選ばない(ハート)  この間働いたところは僕の地出しながら働いても全然怒られなかったから楽だったし。  ただ、ただ……メイド服。先輩には見せれない。 「いくら? 姉貴も結構貰ってるよね。僕はそれプラス五百円の時給ならいいよ?」 「あざーす、咲がね、千円までなら――あ、五百円までなら……」 「千円ね? いいよね。自分のお金にしようとなんて思ってないよね?」  姉貴はガクッと項垂(うなだ)れている。まぁ、こう見えても、姉貴は僕を抜かしたらナンバーワンの売上の美人メイドさんなんだけどね。  伝説を作ったのが僕。そう。女装して、罵って、やりたい放題やってたら、男共がめっちゃ崇めてきて、その日の売上はすごかったらしい。姉貴の悔しがり方が楽しかった。そんな訳で、店長(咲さん)あたりに頼み込まれたんだなとふんだ。何かしらご褒美用意されてるんだろうね。安易に予想できるけど。
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