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美しい子供 4-1

4  僕が精通してから二、三ヶ月後に、理月も精通を迎えました。  以前僕は身体が先に動かなければ、感情を動かすことができない子供だと話しましたね。  僕にとって、いちばん速く手軽に感情を動かす方法がセックスでした。理月との性行為で僕は初めて、痛みと快楽で泣きました。  僕は境界線がなかったから、誰と性行為をしても気持ちよかったです。理月でも、理月以外の人でも。  理月は、僕のセックスは人の身体を使ったオナニーだと言いました。僕は身体の奥に侵入されて、自分の境界線が揺らぐことが楽しかった。理月に深く性器をねじ込まれて、背筋にゾクゾクと快楽の波が走るときに、感極まって笑ったり涙を流したりしました。泣いた理由はいまでもわかりませんが、僕はセックスによってしか感情を動かすことができなかった。だから、理月との性行為に溺れていたのだと思います。  理月は僕がセックスに溺れていくのと反対に、セックスに倦んでいきました。  僕は中学生のころから不眠症で、明け方近くになってから二、三時間眠るということを繰り返していました。  真夜中、僕がベッドで目を閉じてじっとしていると、理月が苦しそうな声を上げていることに気づきました。理月の部屋のベッドへ近づいていくと、理月は胸を押さえて低い声で唸っていました。理月の肩に手を置くと、理月は僕の手を肩で払いました。理月は悪い夢を見ているのか、目を閉じたまま額に脂汗を浮かべていました。  次の日、理月にそのことを聞くと、理月は無表情で覚えていないと言いました。そんなことが、繰り返し起こりました。  理月は、僕との行為で僕を痛めつけるようになりました。身体の奥深くに噛み痕をつけたり痣を作ったりして、僕の怒りを引き出そうとしました。僕は痛みに耐えながら、いつか僕が理月との行為を嫌だと思う日が来るのではないかと思いました。乱暴に僕の身体に性器を打ち付けながら、理月はその日を待っているのではないかと。
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