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第6話
しばらくそのまま隣の彼を見つめていると、ゆっくりゆっくりと飲んでいたはずのカップが、いつの間にか空になったようだ。
ソファを立とうか、どうしようかと悩んでいるのが、言葉にしなくともよくわかる。ちらりと横目で自分を見つめてくる、淳の視線が可愛いなと思いながら、雅之はやんわりと微笑んだ。
「わっ、あのっ、高遠さんっ」
「なに?」
「えっ、あの、これは」
子供が一人、寝入っただけで部屋の中はしんと静まる。そんな空間に、淳の上擦った声が微かに響いた。
頬を赤く染め、彼は落ち着きなく身体を身じろがせている。雅之はその様子を見下ろすと、目を細めて口元を緩めた。
「嫌なら嫌って、言ってもいいよ」
手にしていたカップを攫い、テーブルに置いた雅之は、両腕のあいだに収めた淳を見つめる。
雅之の言葉に目を泳がせた彼は、先程ソファに押し倒した時から、然して抵抗を示さない。
「それじゃないといい気になっちゃう」
毎日、愛息のことを考えて帰っていたけれど、いつの間にか雅之は淳に会うのも、楽しみだと思うようになっていた。
こうして繰り返しやってくる彼に会いたいのか、どちらが口実で本音なのか、近頃それがよくわからない。
だから雅之は、その気持ちを確かめたくなってしまったのだ。
そっと赤く染まる頬を指先で撫でて、それから少し厚みのある唇に指を這わせる。
すると淳の肩が小さくぴくりと震えた。
気づけばその柔らかな唇に、雅之は口付けていた。唇と舌先で淳の唇をたっぷりと味わい、うっすらと開いたそこから口内に舌をすべり込ませる。
逃げるように奥へと引っ込んだ、淳の舌を絡め取るように吸い上げれば、小さくくぐもった声が漏れた。
その声に気をよくした雅之は、シャツの上から手を這わせて、ぷっくりとした尖がりを弄り、指先でその感触を楽しんだ。
「ぁっ……んっ」
瞳を潤ませながら身をよじる、淳の姿は想像以上に雅之の気持ちを高ぶらせた。デニムからシャツを引き抜き、その隙間から素肌に手を忍ばせれば、またぴくり身体が震える。
今度はたくし上げたシャツの隙間から、現れた肌に口付けを落とした。
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