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第17話

夕飯を食べて腹も満たされ、慣れない旅で疲れてしまったソフィーがベッドの気持ちよさに取り憑かれて寝てしまってから、俺は荷物の整理をこそこそ始めた。 疲れていたけど、新しい環境で興奮が冷めなかったから。 今日あった出来事を色々思い出しては、胸の奥がソワソワと落ち着かない。 そうそう、父から聞いていた人員配置とは少し違っていたが、あまり気にならなかった。 ギルドによっては、指定した料金内であれば、よりいい人材を回して効率よく仕事がこなせるよう配慮するからだ。 荷物整理が終わり、まだまだ目が冴えていたので机に置かれていた魔法学校の手引書へ目を通した。 部屋に明かりがついていても誰にも干渉されないって、こんなに素敵なことなのかと嬉しくなった。 領地に居た時、時間を示す時計代わりの時の水晶の色が黒に近づく…つまり深夜になると父だったり、執事だったりが心配して突撃してくるのが本当に辛かった。 自由な時間が無いのはストレスだ。 目が少し疲れてきたから手引書を閉じ、カーテンの隙間から覗く星を眺めた。 近くのものばかり見ていると目が悪くなるのは、この世界でも共通している。 その他の事も前世の世界と変わらない。 特に食材や日用品だ。 まぁ、少し形や色が変わっていたりもあるけど、基本呼び名や用途は同じ。 記憶が戻っても違和感ないのは、そこら辺も手伝っている気がする。 《…キトロン…いい加減寝ないと…目つきがもっと悪くなるよ…》 あはは、俺を心配してるのかディスッてんのか分からないな! 明日のオヤツは無しの方向で行こう。 甘いモノ命のソフィーには、折檻よりも有効的な罰だね。 部屋に灯していた明かりを消し、ふっかふかの布団を口元まで上げて瞼を閉じた。 明日は魔法学校内の見学…その前に冒険者ギルドに行って推薦状の発行をお願いしないと。 正式な推薦状は、各地のギルドマスターからの手紙と引き換えに面接が行われ、合格しないと冒険者ギルドで一番偉い人から発行されない。 面接って初めてだからどんなことするんだろ…って前世で経験あるじゃん! 人相悪かったり、愛想が悪かったりしたら悪印象付いちゃう! 寝なきゃ寝なきゃ…構えると余計目が冴えて眠れなくなる。 いや、小説ではちゃんと入学できていたから大丈夫だろう。 ……って、俺のバカ!それは正式な歳の入学じゃないか!! 自分の中の沢山の自分が大会議を開催してしまい、目を閉じているけど寝たのか寝てないのか分からない状態のまま朝を迎えることになった。
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