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第24話 有真side

「羽田くん、そろそろ起きる?」 「ん〜ん」 そう言って肩を優しく叩くと佐奈は不快に顔を歪めた。 寝顔も最高に可愛いな。 佐奈は起きる気配がなく、体を揺すっても寝返りを打つだけだった。 「まぁ起きないか…」 佐奈に出した紅茶には睡眠導入剤が入れられていた。だから佐奈が眠くなるのも当然で、しばらくは起きないのも当然だった。 ゆっくりと佐奈を抱き上げて寝室まで運ぶ。 有真は決して佐奈の体が目的な訳ではない。 気持ちが伴った状態で佐奈と恋人になりたい。しかし今のままでは『良いお友達のお兄さん』という立場になってしまう。 佐奈からの愛を受け取るためにはこれも必要なことなんだ。 もしかしたら数年前の出来事を思い出してしまうことになるかもしれない。 できればそうはしたくない。 なるべく傷つけない方向でやると決心した。 「ごめんね羽田くん」 眠っている佐奈から優しく服を脱がせて、代わりにブランケットをかけた。 長さがある手錠をベッドヘッドと佐奈の手首につけて起きた時、逃げられないようにした。 羽田くんが起きるまで、昼食の支度をするか。 有真はキッチンへ行きエプロンをかけて昼食のへペロンチーノを作り始めた。 佐奈は辛いものがあまり得意じゃないので辛さは抑えて、控えようと思う。 もちろん本人から聞いたわけではないが、よく頼りにしている探偵を雇って調べあげた情報なので信頼できる。
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