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第31話

そんな神崎の言葉を無視して俺のバッグを探すと、テーブルの上にあったのでそれを持って部屋を出ていこうとした。 「無視とか酷いなぁ、お腹減ってない?お昼ご飯まだなんだけど一緒にどう?」 「………ごはん、なに」 「ペペロンチーノ。俺の自作だよ」 「あんたが作るもの、信用できねえよ」 そう言ってリビングから出ようとすると腕を掴まれて阻止された。 「何もしてないから安心してよ、お腹減ってるでしょ。それに大事な話もしたいし」 「………食べたらすぐ帰る」 「じゃあすぐ用意するね」 俺のためにごはんを用意する神崎をじっと見つめる。 たしかに外見は整っていてかっこいいと言われるのも納得出来る。…外見は、な。 ただあんな変態な性癖を持っているなんて誰が思うだろうか。 ていうかなんで俺なの? うーん、都合が良さそうだったからとか? あれ、なんかぼんやりだけど俺を今後も呼び出すとかそんなこと言ってなかったっけ? 待って待ってほんとにこわいんだけど。 おれ何かしたの!? 「はいどうぞ、召し上がれ」 「……いただきます」 そんなことを考えているうちに神崎の作った料理はあたたかい状態で俺の元に運ばれてくる。 神崎も今食べるようで俺の前に座った。 「これからのことだけど………」 「もう会わない、会いたくない」 「そう言わないで…羽田くんのえっちな写真、ネットに広がっちゃう…なんて脅すかもよ?」 「そ、それはっ…」 「嫌だよね、だからお願い聞いてくれる?」 「…っ…くそ」 世の中にはこんな風にズルい大人もたくさんいるんだ。 俺はそれにまんまと騙されて、これからは人生終了コースしか待ってないらしい。
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