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第42話

「そろそろ帰ろうか」 「神崎にしては早い解散だね……」 「実はこの後会議があって」 俺も参加しなきゃいけないんだよ、とめんどくさそうに笑う神崎。 あ、そういえばこいつ神崎財閥の跡取りだっけ。変態っていうイメージが前面に出過ぎてて忘れてた。 「俺ともっと一緒にいたかった?」 「そんなことないから」 「えぇ素直じゃないなぁ」 「ほんとに違う」 えぇ〜なんて大袈裟に言う神崎。 そんなあいつの運転する姿はちょっとかっこいいなんて思ったりして。 「駅近くの公園で下ろして」 「家まで送っていくよ」 「いい」 「そっか、わかった」 だって家の場所バレるの嫌なんだもん。 神崎には知られたくないし。 今日家帰ったら何しようかなぁ。 まずは課題やって…それから録画した番組も見ちゃいたいな。 「はい、着いたよ」 「…ありがと」 こんな変態野郎でも一応は礼を言って車から降りた。 そしたら手を振りながら笑顔で車は去っていった。 ** ポツ、と髪の毛に水の粒が落ちる。 「雨か……」 幸いにも家はもうすぐそこだ。 少し急いで家に帰ろう、なんて思いながら早足で歩いた。 「ただいま〜」 「あ、佐奈おかえり。ちょうど良かった瀬名がね駅から歩いて帰ってくるんだけど傘忘れて持ってないのよ」 玄関に入ったら丁度母さんが玄関にいて、傘を持っていた。 先程の空模様を思い出す。 確か少し先に見える雲はどんよりと暗かった。 あれじゃ結構降るだろうな…。 「じゃあ俺、瀬名迎えに行くよ」
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