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喫茶店のオーナーと甘党の彼_15
この頃、江藤の家へと来る時は「ただいま」と声を掛けてくれる。
それが嬉しくて台所で料理をしながらいつも楽しみにしていた。
なのに今日は「ただいま」という言葉も「おかえり」の言葉もないままに大池の唇に江藤の唇はふさがれてしまう。
「ん、おおいけ」
背中をぽんぽんと叩いでやめて合図するが、無視されて散々唇を貪られて。
力が抜けそうになって腰を抱きしめられて唇が離れる。
「はぁ、大池、どうしたんだよ」
濡れた唇を親指で拭ってやれば、そのままその手に口づけを落としていく。
「先輩が真野に優しくするから」
服を捲りあげられ、胸の粒へと食らいつく。
「だって、大池の後輩だから……、あ、んっ」
ちゅっと音をたてながら吸われながらテーブルの上へと押し倒される。
「まて、ここでするのはダメだって」
せめて寝室に行こうと腕をつかむが大池はやめる気配を見せず、ベルトを外されズボンを下ろされる。
「こらっ、話を聞け」
額をピシャリと叩いてやればぴたりと動きが止まり、江藤はテーブルの上から降りて大池の頬を両手で包み込む。
「ここは俺を食べる場所じゃないだろう?」
「すみません。でも、我慢できなくて」
ぎゅうっと強く抱きしめられて、江藤は大池の髪を撫でる。
「続きは寝室でな」
と口づけをしてテーブルから降りる。
脱げてしまったズボンはそのまま。間抜けな格好の江藤の手を引いて寝室へと向かう。
部屋に入るなりベッドに組み敷かれて思う存分に食らわれた。
江藤の肌は大池のつけた痕、そして唾液と自分の放ったもので濡れた肌を綺麗にしてシャツを着せられた後、ぐったりとベッドに横になる江藤の傍で美味しそうにクリームパンを頬張る大池の姿がある。
その姿を微笑ましく眺めていれば、
「江藤先輩の恋人になれて、俺は凄く幸せです」
そう江藤の手を掴み指を絡めてくる。
「お前は……」
なんて嬉しい事を言ってくれるのだろうか、この年下の恋人は。
ベッドから起き上がりクリームの味がする口内を弄れば、それに応える大池に芯が痺れ始めて蕩けそうだ。
「せんぱい」
熱のこもった眼で見つめられ、散々した後だというのに大池が欲しいと体が疼く。
シャツのボタンに手を掛けてシャツを脱ぎ去れば、再び大池の腕の中へと抱かれた。
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