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第14話

中畠side 冬の冷たい風が吹くなか、海辺を二人で歩く。 こんな寒い日に海辺を歩く人はいない。 「冬の海、好きなんだ」 田川さんの顔は、穏やかだ。 本当に海が好きなんだろう。 「あ、これ知ってる?」 田川さんの手には、丸い綺麗な石のようなものが握られていた。 「シーグラスって言って、ガラス片が流されて、丸くなったものなんだけど」 「綺麗ですね」 「あ、この浜辺いっぱい落ちてる」 シーグラスを拾う田川さんは子どものようだった。 「これ、あげる」 渡されたのは、真ん丸の、シーグラスだった。 濃い青から透明へ、綺麗なグラデーションだった。 「中畠さんっぽいなって思って」 つい嬉しくなって、笑みが溢れた。 「笑った」 田川さんもつられて笑った。 「俺っぽいやつ、あるかな?」 砂浜に視線を落とす。 二人で下を見ながら歩いてると、柔らかい緑色をしたシーグラスを見つけた。 「これ、田川さんみたいです」 「こんな、優しい色のイメージある?」 「ありますよ!」
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