2 / 4

第2話

 *** 「アッ、アッ……ん! ヤ、だ……も、ひぃっ……んぁ、無理ぃい!」 「は、何言ってんだ、よ。『無理やり襲われて淫乱Mネコに目覚めちゃったり、俺の最終兵器とそのスーパーテクに翻弄され、あられもない声と姿をさらす』んだろ? くっ……オラ、もっとしっかり腰振れよ、太郎」 「ひゃうっ……あ、あァアーーッ!」 何でこうなったのか。 弘毅に突っ込む筈だった俺の息子は、さっきからダラダラとお漏らし状態。 仰向けに寝転がる弘毅の上に跨がって、俺のとは比較にならないレベルの『最終兵器』をくわえこまされている。 ……俺の、お尻の穴ん中に。 自分でも訳がわからない。 最初は死にそうなほどの激痛だったのに、今もまだ多少の痛みを感じている筈なのに、それをはるかに上回る快感がひっきりなしに襲ってくる。 何これ? 俺今、どうなってんの? 確か、ソファーで眠る弘毅の両腕・両足を縛ったんだよな。 全然こいつの目が覚めなくて、調子付いた俺は早速、弘毅のベルトを外したのだが。 突っ込むためにはとにかく下を脱がさなきゃ。 そう思い、ズボンと下着に手をかけ一気に引っ張る──が、仰向けに寝ているせいでうまくいかない。というか脱がせても突っ込めない。 何でうつぶせじゃないんだ、やりにくいだろ弘毅のバカ! ブツブツ言いながら懸命に腰を持ち上げ、引っくり返そうとする俺に声がかかった。 「……何してんだ、太郎」 もちろん、声の主は覚醒しちゃった弘毅くんである。俺ヲワタ。 普段なら多分そこで無理やりにでも誤魔化し、相手の機嫌を損ねないよう媚びへつらっていただろう。 だがしかし、今回俺の狂熱(欲望)は止まらなかった。 既に奴の身体は拘束してある。 どうせ逃げることは出来ないだろうし、抵抗される心配もない。 つまり無敵なのだ。ふははははっ! 愉快な気持ちが膨れ上がり、怪訝な顔をする弘毅に対し俺は全部、話してやった。 それはもう包み隠さず一切合切。 「……へえ、そいつは楽しそうな野望だな」 話を聞き終えた途端そうつぶやく弘毅。 今から掘られるというのに、ニヤリと笑みを浮かべたのは多少気になるが。 何じゃコイツ? さては俺の最終兵器に恐れをなしたか。 そして素直に負けを認め、むしろ本気で楽しみを覚えちゃうほど期待していると? ほほう、殊勝な心掛けだ。良いではないか良いではないか、可愛い奴め。 「ふはは、という訳で覚悟しろ弘毅!」 ブチッ 「ああ、言われなくてもそうするから。 とりあえず今日は朝までつきあってやるよ、太郎」 「へ?」 両腕を縛るネクタイが目の前で千切れた。 と同時に、俺を足に乗せたまま上半身を起こす弘毅。 足側のネクタイをほどくと、今度はそのまま俺の両腕が縛り上げられる…………え。 「つか、そんなに欲求不満だったとはなぁ」 「は?」 「本当はお前のこと、初対面の時から俺のタイプだし襲いたかったんだけど。3年間同じ寮部屋に住む訳だろ? 無理やり関係持って嫌われたり、最悪転校とかされたら困るよなー…って。 そう思ってたからさ、長いこと気付いてやれずに悪かったわ」 いや、あの、何を仰っているんですかね。 そして何故、俺を見る弘毅くんの目はそんなにギラギラしてますのん? た、太郎くん困っちゃうわぁ~。 あはは……どうしよう。 さっきから変な汗が止まらない。 「あ、けど先に謝っとくわ。悪いが俺、ケツ感じねーんだよ。つー訳でいくら太郎の頼みでもそっちは無理だし、諦めろ。 まぁそのかわり、お前の小っこい穴に好きなだけ突っ込んでやるから。 ん? 何でそんなに震えてんだよ。 大丈夫、心配するなって。一応体力には自信あるから。ついでに俺は絶倫ってやつらしいぜ? 今まで抱いた奴ら皆そう言ってたし。 あーそうだなぁ、これから毎日毎晩、太郎が二度と欲求不満にならない程度には激しくヤれると思うぞ。 フ……嬉しいだろ?」 嬉しくないわーー! という魂の叫びは、俺の口を出る前に弘毅からのキスで塞がれた。 .

ともだちにシェアしよう!