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第2話
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「アッ、アッ……ん! ヤ、だ……も、ひぃっ……んぁ、無理ぃい!」
「は、何言ってんだ、よ。『無理やり襲われて淫乱Mネコに目覚めちゃったり、俺の最終兵器とそのスーパーテクに翻弄され、あられもない声と姿をさらす』んだろ? くっ……オラ、もっとしっかり腰振れよ、太郎」
「ひゃうっ……あ、あァアーーッ!」
何でこうなったのか。
弘毅に突っ込む筈だった俺の息子は、さっきからダラダラとお漏らし状態。
仰向けに寝転がる弘毅の上に跨がって、俺のとは比較にならないレベルの『最終兵器』をくわえこまされている。
……俺の、お尻の穴ん中に。
自分でも訳がわからない。
最初は死にそうなほどの激痛だったのに、今もまだ多少の痛みを感じている筈なのに、それをはるかに上回る快感がひっきりなしに襲ってくる。
何これ?
俺今、どうなってんの?
確か、ソファーで眠る弘毅の両腕・両足を縛ったんだよな。
全然こいつの目が覚めなくて、調子付いた俺は早速、弘毅のベルトを外したのだが。
突っ込むためにはとにかく下を脱がさなきゃ。
そう思い、ズボンと下着に手をかけ一気に引っ張る──が、仰向けに寝ているせいでうまくいかない。というか脱がせても突っ込めない。
何でうつぶせじゃないんだ、やりにくいだろ弘毅のバカ!
ブツブツ言いながら懸命に腰を持ち上げ、引っくり返そうとする俺に声がかかった。
「……何してんだ、太郎」
もちろん、声の主は覚醒しちゃった弘毅くんである。俺ヲワタ。
普段なら多分そこで無理やりにでも誤魔化し、相手の機嫌を損ねないよう媚びへつらっていただろう。
だがしかし、今回俺の狂熱(欲望)は止まらなかった。
既に奴の身体は拘束してある。
どうせ逃げることは出来ないだろうし、抵抗される心配もない。
つまり無敵なのだ。ふははははっ!
愉快な気持ちが膨れ上がり、怪訝な顔をする弘毅に対し俺は全部、話してやった。
それはもう包み隠さず一切合切。
「……へえ、そいつは楽しそうな野望だな」
話を聞き終えた途端そうつぶやく弘毅。
今から掘られるというのに、ニヤリと笑みを浮かべたのは多少気になるが。
何じゃコイツ?
さては俺の最終兵器に恐れをなしたか。
そして素直に負けを認め、むしろ本気で楽しみを覚えちゃうほど期待していると?
ほほう、殊勝な心掛けだ。良いではないか良いではないか、可愛い奴め。
「ふはは、という訳で覚悟しろ弘毅!」
ブチッ
「ああ、言われなくてもそうするから。
とりあえず今日は朝までつきあってやるよ、太郎」
「へ?」
両腕を縛るネクタイが目の前で千切れた。
と同時に、俺を足に乗せたまま上半身を起こす弘毅。
足側のネクタイをほどくと、今度はそのまま俺の両腕が縛り上げられる…………え。
「つか、そんなに欲求不満だったとはなぁ」
「は?」
「本当はお前のこと、初対面の時から俺のタイプだし襲いたかったんだけど。3年間同じ寮部屋に住む訳だろ? 無理やり関係持って嫌われたり、最悪転校とかされたら困るよなー…って。
そう思ってたからさ、長いこと気付いてやれずに悪かったわ」
いや、あの、何を仰っているんですかね。
そして何故、俺を見る弘毅くんの目はそんなにギラギラしてますのん?
た、太郎くん困っちゃうわぁ~。
あはは……どうしよう。
さっきから変な汗が止まらない。
「あ、けど先に謝っとくわ。悪いが俺、ケツ感じねーんだよ。つー訳でいくら太郎の頼みでもそっちは無理だし、諦めろ。
まぁそのかわり、お前の小っこい穴に好きなだけ突っ込んでやるから。
ん? 何でそんなに震えてんだよ。
大丈夫、心配するなって。一応体力には自信あるから。ついでに俺は絶倫ってやつらしいぜ? 今まで抱いた奴ら皆そう言ってたし。
あーそうだなぁ、これから毎日毎晩、太郎が二度と欲求不満にならない程度には激しくヤれると思うぞ。
フ……嬉しいだろ?」
嬉しくないわーー!
という魂の叫びは、俺の口を出る前に弘毅からのキスで塞がれた。
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