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第4話

それからしばらくの間、俺は息も絶え絶え、意識がぼーっとなるくらい激しくねちっこく何度も何度もキスをされた。 おかげで唇の腫れ(たらこ具合)がいっそう酷くなる訳だが、ひとまずそれは脇に置いておこう。 そして多分酸欠で、俺の脳ミソが機能しなくなった頃、耳元でささやくように弘毅が教えてくれた。 例えば。 この一年間……俺に手を出さないようにする為、有り余る性欲をいかに他所で発散してきたか。 まるで人の気持ちを試すみたいに、無防備に振る舞う俺を何度襲ってやろうと思ったか。 一緒に飯食ったりテレビ観たりゲームしたり……の間中、どれだけ自分の興奮(主に下半身)を抑えるのに必死だったか。また俺に気付かれないよう演技するのが大変だったのか。 途中、まるで俺が悪いみたいに 「風呂上がりに下着や薄着でうろつく・共同スペースで居眠りする(起こすと掠れた声で甘えながら弘毅に抱きつく)・夜中に寝ぼけて弘毅のベッドに潜り込む・突然のボディータッチ・笑顔」 ──が、どうのこうのと文句つけてたな。 風呂上がりは別に普通だろ? 抱きついたり寝ぼけてベッド〜は、記憶に無いし。 最後の「笑顔」って何だよ。意味分からん。 考えるのが面倒臭くなって、とりあえず弘毅が用意した昼食をとり、俺は寝た。 身体のベタつきは無かった(気絶してる間に弘毅が風呂に入れたらしい)し、疲労しきってた分ぐっすり熟睡出来た。 ちょうど土日で学校は無いからいいけど、おかげでせっかくの休みが台無し。 くっそう……。 次に目が覚めて、一番に視界に入ったのが弘毅の幸せそうな寝顔だったり、俺を抱きしめる奴の腕やら絡み付く足だとか。 それに驚いて必死に抜け出そうともがくうちに、起きた弘毅がうっとり見つめながらキスをしてきやがったり。 何故かまた、そーゆう行為が始まったり。 ────どうしてこうなった? 「あっ、ヤ、ひ……弘毅ぃ」 「は、太郎、可愛い。ははっ……泣くほど気持ち良いか? そんなにここ、好きか? なあ、お前は俺のもんだからな。毎日ずっと、気持ち良くなろうな?」 「ん、あっあっ……気持ちい、ひもち良いよぉ! 弘毅、しゅき……しょこ、好きぃ……ひゃあん!」 「くっ、太郎……!」 相手が男でも構わない。 姉ちゃん所有のBL本を実際に試そうと、尻の穴に突っ込みたくて寮の同室者を襲った筈が、気付くと俺に彼氏が出来ちゃったようです。 しかも、入れる予定が入れられて。 まあ確かに気持ち良いけど何か違う。 「ひゃああぁん──ッ!?」 自分が出したとは思えない甲高い嬌声を遠くに聞きながら、ぼんやり新たな野望を抱く。 (今に見てろよ……絶対いつか俺が、弘毅の尻に突っ込んで思いっきり鳴かしてやる。俺の最終兵器を入れて欲しくて、弘毅の方からはしたなくねだっちゃうくらい俺にメロメロにさせてやるからな!) その野望が、まさか自分の身にそっくりそのまま返ってくることになるだろうとは。 さすがの俺もまだ知らない。 【END】
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