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第40話

のぼせる寸前までイチャついてからお風呂からあがると、ひとまず各自の部屋に戻ってお互い明日の準備等を済ませることにした。 (今日はまた紅羽と一緒に寝るんだ……) 俺はもうそのことで頭が一杯で、明日のことなんかどうでもよくなりそうだった。明日、学校に行ってる間は紅羽に会えないし……でも、夜はまた一緒に寝てくれるかな……。 本当に、同居し始めた頃には考えられないくらい、俺の紅羽への気持ちは変わった。こんなに好きになるなんて、一緒に居たいと思うなんて、あの頃の俺は想像もつかないだろう。 浮かれる気持ちを抑え、なんとか明日の準備と部屋の片付けを簡単に済ませると、俺はドキドキしながら紅羽の部屋へ向かった。 コンコン、と緊張ぎみにノックすると、すぐにドアが開き、紅羽が迎え入れてくれる。 「いらっしゃい。寂しがり屋の弟くん?」 そう言って指先で髪を梳かれる。ドライヤーで乾かしたばかりの髪はサラリと指通りが良くて気持ちいい。思わずうっとりして目を閉じると、チュッと軽くキスをされた。 「ふふ、お風呂上がりの白兎君もかわいいね。いい匂い」 首筋に顔を寄せて匂いを確認されると、紅羽の吐息を感じて、体がビクッと反応してしまう。 「ほら、入って?……はやく触れたい」 ドクン……ッ 触れたいと言った瞬間の紅羽の熱っぽい表情に、俺は釘付けになってしまう。心臓がうるさいぐらい鳴り出して止まらない。ああ、俺も早く、紅羽に触れてほしい……。 「お……れも……っ、紅羽……」 そのままなだれ込むように部屋へ入ると、ぎゅうっと抱き締められる。お風呂上がりだからボディーソープのいい匂いがして、ずっとくっついていたくなる。 「紅羽も……いーにおいだな」 「ありがと。あ、そうだ」 何かを思い出したように、紅羽が俺から手を離し、勉強机の上から何かを取って持ってきた――これは……! 「ゲーセンで取ったウサギ!」 「そ。白ウサギ。ねぇ、俺がなんでこのウサギ欲しかったか、もうわかった?」 「え……えっと……そういえば……なんで?」 俺が頭上にはてなマークを浮かべて考えていると、紅羽が正解を述べ始めた。 「白ウサギって、全部漢字で書いてごらん?」 「え……あっ!」 今気付いた!俺って鈍感!白ウサギ……白兎……白兎(しろと)。 こんな事だとは露ほども思ってなかったので、驚きと納得と恥ずかしさが一気に押し寄せてきた。 「今日は、この子も一緒に寝ようね」 「へ……?」 こうして、紅羽と俺と白ウサギはベッドに潜り込んだ。
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