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エッチは蜜の味?10

(あれ……。俺、どうしたんだっけ)  目の前がぼやけてよく分からない。体を起こそうとするけれど、ビクともしない。 「千夏……?」  喋るとひどく喉がかわいた。一滴でもいいから水分が欲しい。蘭はヒュッと喉を鳴らして乾いた息を吸い込んだ。  真上には、見覚えのある天井。どうやら自分の部屋で間違いなさそうなんだけど……。 「千夏ぁ?」  一緒に家に帰ってからの記憶がまったく思い出せない。  確か家には誰もいなくて、それで千夏の腕を引いて……。 (あれ、千夏が俺の手を引いてたんだっけ……?) 「あーあ、ざぁんねん。起きちゃったんだ」  部屋の隅から、女の子の笑い声がした。  聴き覚えはあったが、いつもの明るいそれとは全然違う。悪意に満ちた、優しさのかけらもない刺々しい声色だ。  そこには携帯を片手に不気味に笑う千夏がいる。 「え、千夏……?」  蘭はなかば混乱気味に目を覚ました。  そこで、ようやく自分の体の異変に気付いた。 「え──?」  服を着ていない。  下着や靴下まで、全て剥かれた状態でベッドに寝そべっている。千夏の方は、かわいらしい制服姿のままだ。少し離れたところから携帯をかまえ、うっすら笑みを作って蘭を見ている。  カシャリ。  すごく嫌な音がした。  カメラを起動させた時の、撮影時に流れるシャッター音みたいなあれ。まさかと思ったが、千夏が手にする携帯が発した音で間違いない。
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