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美人コンビと聞いて、てっきり女のヤンキーだと思っていたけど、まさか男だなんて驚いた。というのも、そんな噂があるにも関わらず、未だ誰一人としてその姿を見た事がなかったからだ。 美人だというだけなら、まだ良い。 でも、噂はそれだけではない。 “ 他人を平気で陥れる ” “ 無敗の喧嘩王 ” “ 逆らうと殺される ” “ 裏でヤバイ事をやってる ” などなど……噂が噂を呼び何が真実なのかも分からず、この悪名がまるで伝説のように学校中で広まっている。 それと、もう一つ……… “ 黒髪の方には気を付けろ ” という噂がある…… 黒髪というのは、このチョーカー男の事なのか? さっきから穏やかな笑みを向けていて、とてもじゃないが喧嘩が強いようには見えない。緩めの服を着ていて体型はハッキリ分からないが、顔の骨格からしても華奢な感じがする。 モヒカン野郎達がボコられている時に一瞬だけ見えたのだけど、制裁を食らわしていたのは金髪の方で、この黒髪の男は何も手を加えずに後ろでにこやかに笑っていた。 噂が本当だろうが嘘だろうが、出来ることなら関わりたくはない。何故なら、コイツらも俺の大嫌いなヤンキーだからだ! 一言に不良と言っても色んな奴がいる。 その中でも、俺が最も嫌いとするのは人々の眠りを妨げ夜の治安を乱す暴走族。コイツらは、そのヘッドを務めているという……… 「何か言うことねぇの?」 「へ?」 モヤモヤと考えていた所へ、ふいに問われてまた間抜けに声が裏返る。声の方へ視線を向けると、金髪野郎が気怠そうに此方を睨んでいる。その声に気を取られている隙に、傍らにいた黒髪の男が此方に詰め寄ってきた 「人から物を受け取ったら……」 言いながら、黒髪野郎が壁に手をつき俺の体を覆う。 そして、その細い指で俺の顎を持ち上げると、耳元に唇を寄せ言葉を紡いだ 「── ありがと……でしょ?」 吐息混じりの妖艶な声に俺の心臓はドキリと疼き、耳が熱くなった
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