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第4話

「お疲れ様でございました」  その声にはっとする。 見ると、左足はきれいにガーゼと包帯で処置され終えていた。 「あ、どうも、何から何まで」  慌てて我に返って礼を言う。 「とんでもない、これが私どもの仕事です」  にっこりと言われたが、何だか胸に刺さるものがあった。 「歩けますか?」  試しに立ってみる。痛みだけで言えば、ほじくられた分今の方が痛い。 「い、痛いっす」 「ではお部屋までまた肩をお貸しいたしましょう」  ふわりと自然に腰を支えられ、さっきとは違う気分になる。 ーー何かおかしいな、俺。  部屋に着くと、ベッドまで付き添われ、ゆっくり腰を下ろすと佐倉は離れた。 「では私はこれで。せっかくの旅なのに残念ですが、ゆっくりお休みください」 軽く一礼する。 出て行ってしまう。 「あのっ!」  咄嗟に、声が出ていた。 「はい」 「ひ、暇やから、何か…」 「それでは雑誌を何冊かお持ちいたします。どのようなジャンルがお好みですか?」  そんなこと言いたくて声をかけたんじゃない。 涼司は適当に答えて持ってきてもらった映画雑誌に、見るともなく目を落としていた。  やばい、失敗した。 映画なんて、思い出すやろが。  いろんな方面に気持ちの整理がつかず、涼司はふて寝した。
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