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第11話

 そりゃ男が男に告白したのだから、当然バレる。 「…はい…すいません、気持ち悪かったですよね、告白のみならず、あ、あんなことまでっ」  言っていて顔が赤くなって来た。 そうだ、告白の前に先にもっととんでもないことしでかしていた。  佐倉が不意にこちらを向いて、隣に並んだと同時に、頭を押さえられ唇を重ねられた。 「んっ!」  可能な限り目を見開き、佐倉の肩をバシバシと叩く。 しばらくすると佐倉はようやく離れ、涼司はへなへなとその場に座り込んでしまった。 「気持ち悪くなんかない。俺も、そうだから」  見上げると佐倉の表情は、今まで見たのとは明らかに違うものだった。 「佐倉さ…」 「確認。告ってきた意図は?付き合いたいとかそういう?」 「えっ、えっ」  先ほどのキスを境に、人格が豹変している気がするのだが。 戸惑っている間にも矢継ぎ早に質問され、涼司は完全に佐倉のペースに飲まれてしまっている。 「いや、その、付き合うも何も、ねえ」 「何か問題でも?」 「ん、遠距離だし、ねえ」 「そんなの初めからわかってたのにどうして告白したの?」 「…も、ごめんて。そんないじめやんといてぇな」  降参、と言わんばかりにしょげかえって俯く涼司の顔を覗き込んだ佐倉は言った。 「ごめんな。俺、好きな子にはイジワルしたくなるタイプなんで」 「ーーへっ?!」  夜空に響き渡る裏声を上げ、覗き込んでいる佐倉と目が合った。 佐倉の素の微笑は、仕事中のそれよりも温かみがあった。 「お互いのこと全然知らないし、遠距離だし休みも合わない。すごい無理ゲーなんだけど、付き合ってみる?」  こんなシチュエーションでこんな風に言われて、Noと言えるわけがない。 「…はい」 赤くなって小さく答えると、佐倉が抱きしめてきた。  涼司も佐倉に腕を回し、三度目にして初めて、双方合意のキスをした。 【おわり】
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