14 / 197

第14話

 夕食は魚の煮付け、はるゆきさんの嫌いなものではないはずなのにどうも箸が進まない。そのままごちそうさまでは、すぐにまたお腹が空いてしまうだろう。 「はるゆきさん? 今日のお魚は美味しくありませんか」 「違うよ」 「箸進みませんねぇ……」  彼は少しのため息をついて箸をそっと魚に伸ばす、その瞬間だった。  音をたてて床に転がる箸、彼は右腕をさすっている。 「はるゆきさん……」 「すまない、大丈夫だ」  これをして、彼のどこが大丈夫だと言うのか。 「もう、はるゆきさん……ご飯くらいね、僕がいくらでも食べさせてあげますよ」 「……みつば」  泣いたらいけない、いま僕が泣くなんて。  心から本当にいま泣きたいのは僕じゃなくてはるゆきさんのほうなんだから……。  

ともだちにシェアしよう!

この小説を読んだ人におすすめの作品

社長に溺愛されます。
6リアクション
2話 / 465文字 / 20
2017/7/2 更新
連載中
香と跡
教師×生徒 ヤンデレ
11話 / 1,908文字 / 0
2018/11/23 更新
連載中
島の風
一見優しげ、でも実は…貴方を絶対ものにする。そう、力ずくでも…
3話 / 2,268文字 / 0
2018/7/26 更新
現代とはとても思えない夜の屋敷で違った男に身体を開く青年に惹かれたアキラ
348リアクション
67話 / 61,351文字 / 40
4/4 更新
なんでも買ってくれる俺のパパは敏腕大使だけど、かなり変態★溺愛オメガバースいざ開幕!!(α×Ω)
3リアクション
1話 / 2,637文字 / 35
1/14 更新
《敵国α×魔法使いΩ》隣国の侵入を防ぐため戦に出たリアムは敵軍に捕まってしまい……!?
186リアクション
6話 / 6,589文字 / 196
10/21 更新