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第2話 プロローグ

 この世界は魔法が溢れている。  クレール国では、沢山の属性を持つ人々で溢れている。  地・水・火・風・光、そしてその全ての加護が得られない者は、無属性と言われている。  今まさに、ノベール家で第六子となる子が産まれた。彼の名はジル。  ジルは、魔力に於いては名のある一族に生まれた。  兄姉は、五人。全てα家系であった。  ヨルゴ・ノベール、長男で、火・風の属性を持つ。  イヴォン・ノベール、次男で、風・地。  カルラ・ノベール、長女で、火・水。  マズナ・ノベール、三男で、風・火。  ウィリー・ノベール、四男で、地、水。  優秀な五人だったが、特異な光属性を持つものは未だ産まれていなかった。  産まれた子、ジルに皆の希望は託されていた。  しかし、ジルはΩだった。そして、無属性だった。  何の価値もない物として、いないものとして扱われていた。  彼の処遇を見かねた使用人の一部が彼を育てた。  しかし、ジルに転機が訪れる。  それは、全ての素質のある国民は、魔法学校に入学するよう達しがあったのだ。  ジルの両親は、初めジルを魔法学校に入学させるつもりは毛頭なかった。しかし、全ての国民にと、国から強く通達があり、両親は己の立場上、入学させなければならなかった。  ジルは無属性。しかし入学となった。  それは、魔力に於いては名のある一族だったため、直々にお達しがあり、ジルの将来に期待されたからだった。  入学し、一年が経とうとしていたが、ジルの能力は、全く開花されなかった。  両親は既に期待はしていない。ただ、ジルの失敗を恥と思い、今後はノベール家を名乗る資格を剥奪する手はずを進め始めていた。今年のジルの17歳の誕生月に合わせて。  ジルは、高等部一年。16歳になっていた。  この春、高等部二年になる。  今年の誕生日に、両親から除籍されることが決まっていたので、近い将来この学園を辞めることになる。そのことをジルは悲しくも理解していた。しかし。  ただのジルになって、町で一人暮らすのもいいかもしれないと思っていた。  そんなジルの、今日が始まる。
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