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形勢逆転03

 酷い生徒だと思ったよね。残酷な奴だって。  先生の知られたくないだろう過去をいじくって、身体の関係を強要した。  そりゃ、快感も得られないよね。  シャワーの音が止まると、僕はパッと身体を起こした。  気だるさの残る身体が、普段なら心地良いはずなのに。今日はただただ重いだけ。  僕はベッドの下に散らばっている己の服をかき集めると、さくさくと着替え始めた。  先生が、シャワーから出る前に姿を消さないと。  きっと僕の顔なんか、見たくないだろうから。  誰にも知られなくない先生の過去をいじろうとしている僕の顔なんて……。  僕は最低人間だ。  ガタガタンっと風呂場のドアが開く音がした。  先生のシャワーが終わったんだ。急がないと。脱衣所兼洗面所で身体を拭いている間に、僕は姿を消すんだ。  月曜日から、僕は先生と関係を持つ前までと同じ生徒に戻らない、と。  僕は鞄のストラップを引っ掴むと、玄関へと足を向けた。  ごめんなさい。週明けの月曜日には、今日のことは無かったことにしますから……。  帰りたくもない家に、足を踏み入れる。  ゆっくりと玄関のドアを開ければ、白い床の廊下があった。  パタパタとスリッパを鳴らしながら、母が居間から出てくるのがわかった。 「瑠衣、今まで何をしていたの? 連絡もしないで、朝帰りだなんて」
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