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暴力02

 洗濯云々は考えるなって、書いてあるけど。やっぱ考えるでしょ。人様に借りたものは、渡されたときよりも綺麗な状態にして返すのが日本人ってもんだし。  僕は先生からのメモ用紙を制服のポケットに入れた。  英先生には酷いことをしてしまった分、詫びを入れたい。謝ったところで、先生はすぐに「許す」って言うはず。  それは教師だから。生徒のしでかして過ちは、たとえ心が許してなくても、英先生は教師として許してしまうはず。  だから、出来ることをして、先生に態度で示したいって思う。もう僕は、あんなことはしませんって。行動でわかってもらいたい。  僕は少し形の崩れたラッピングの袋をしっかり持つと、教室にむかって廊下を歩きだした。 「伊坂くん」と背後から名前を呼ばれる。  振り返ると、小暮先生が僕の肩を掴んだ。 「少しいいかな? 話があるんだ」  腕をしっかりと掴んだ小暮先生が、僕の返事も聞かずに、引き摺るようにして生徒指導室へと引っ張って言った。 「なんだよ」と指導室のドアが締められるなり、僕は不機嫌な声をあげる。  小暮先生と、二人きりになんてなりたくないのに。どうして僕を呼びだしたりするんだ。  担任じゃないんだから。まわりからおかしな目で見られるじゃないか。  ただでさえ、母親と寝たことでもう教師と生徒という一線を越えているというのに。  これ以上、僕の生活を介入して欲しくないんだけど。 「その中身は何?」  英先生から渡されたラッピング袋を指でさされた。 「朝、あんたが台無しにした僕のワイシャツだけど」 「本当に?」 「英先生が、ボタンをつけてくれたんだ」  疑う視線がウザい。  僕はラッピングされた袋からワイシャツを取り出すと、小暮先生に見せてやった。 「ほら、見ろよ。そんなに疑うなら、手にとって確認すればいいだろ」  僕はラッピングごと、生徒指導室にある机に叩きつけた。

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