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柚希side 「なんだかんだで、ラブラブバカップルかよ。ふざけやがって」  新年早々の事務所の社長室で、おじさんが足を組んでふんぞり返っている。 「ああ?」と僕はソファに座ったまま、瞼を閉じておじさんの言葉に不機嫌な声をあげた。  眠いから、瞼を閉じている。年末恒例の歌番組を無事に終えて、桜庭さんのベッドでゆっくり寝られると思っていたら……元旦の早朝にたたき起こされて事務所に集合って。  忙しい年末の仕事を終えられたんだ。元旦くらいゆっくり寝かせろや。このクソじじいが。  顔の痣を厚化粧で隠すのに、時間はかかるし。化粧を落とすのだって時間がかかって。服の隙間から痣が見えないようにしたり、服があたって痛みがでないように配慮したり。痛み止めを飲んだり。大変だったんだからな。休めるときに休ませろ。 「ふざけてるのは、長瀬だろ?」  僕の隣に座っている恋人・柚希が冷たい声をかけた。 「大まじめだ。ケイをうちの事務所に戻す。あちら側の事務所とも話はついた。HANTERの再結成だ」 「……てことは僕は用なし?」 「そうなるな。もともと興味ないんだろ?」 「ああ」  僕は目をあけるとおじさんを見て、頷いた。 「ちょっと待って! ダメだ。柚希は……」  桜庭さんが僕の手を握りしめてくる。  気にしなくていいのに。僕は桜庭さんの傍にいられれば、歌なんてどうでもいい。 「そう言うと思って。柚希にはこのままソロ活動をしてもらう。それとHANTERのコーラスもな。で、耀は、マネの仕事は解任。作曲にまわれ。HANTERと柚希のな。新しいマネは……今のところ保留。以上」 「……は? それだけのために呼んだの?」  僕はおじさんを睨みつけた。 「もちろん」 「そんなん別に元旦じゃなくてよくね? こっちはヘロヘロなんだよ」 「精液の出しすぎなだけだろ」 「うっせえーよ。暴行も受けたしな。薬がきれて、痛いんだよ」 「気のせいだろ」 「……なわけあるかよ!」  おじさんがにこっと笑って、契約書を僕の前に突きつけた。
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