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第24話:変態?王子サイド

運命の相手は……センスを磨く……と言うか、デザインのノウハウを齧りたくて通った短大で突然に出会った。 一年が終わる頃、専攻合同交流会で隅の方で居心地悪そうに1人でお酒をちびちび飲んでいた人物。 その顔を見た瞬間に雷に打たれた。 今まで何処に隠れていたんだ……。 昔、祖父の絵本で大好きだった『あかでんちゅう』というタヌキの妖怪。 おんぶをせがんで、おんぶされて喜んではしゃぎ、肩を叩いて来る可愛い子ダヌキの妖怪。 ポヤンとした、たれ目がちな瞳、人の良さそうな……かわいい丸顔……。 ヨロヨロとその人物に近づこうとして隣にいた女子達にブーイングと共に止められた。 その時、彼の顔がこちらを見た。 うんざりとした……嫌そうな顔を向けられた。 大人しそうな彼の事だ、女の子に囲まれて騒いでいる俺との間に高い壁を感じた。 妖怪は煩いところ嫌いだもんな。 欲しい……彼が欲しい……。 その為なら……どんな姿にだって化けてやる。 どんな自分だって演じてみせる。 同じグラフィック専攻では見た記憶がないので、イラストかアニメーションか油絵か? 「なぁ……壁際のあの子何で一人でいるんだ?どこの専攻の子か知ってる?」 周りにいた女の子達に聞いてみると、イラスト専攻だと言う子が答えをくれた。 「あぁ……山川君か。あの子いつもあんな感じだよ?話しかけてもあんまり喋んないし……でもこの学校には人付き合い苦手な人結構いるし……あの子もそうなんじゃない?」 山川君……。 イラスト専攻。 まだ女の子達が何かを喋っていたけれど全く頭に入らず、先ほど仕入れた少ない情報を何度も反芻した。 ・・・・・・・・・・・・・・ 「都居くん。一緒に帰ろう?」 「ごめん、ちょっと用事があるんだ」 腕に絡み付いてくる、女子を初めて断った。 なんとしてでも山川君とお知り合いになりたい。 意識してみても、彼の出現率はレアキャラかと思うくらいに低かった。 一般教養なら授業が被ること位有るだろうと、講義の間に探したけれど……避けられてるのかと思うほど被って無い。 こっそり彼の横に座って教科書を借りる作戦は失敗だった。 お昼の学食を狙って見たけど何処にもいない。 山川君は何者なんだ? やっぱり妖怪はそうそう人の目に付く場所には姿を現さないのか……。 山川君におんぶをせがまれたら、速攻連れ帰って家に閉じ込めておくのに……。 そうか! この考えがいけないんだ。 座敷わらしを家に閉じ込めて者はどうなった? 座敷わらしが出ていった瞬間、家は滅びた。 妖怪を捕らえようとするのがいけないんだ。 お友達になろう……そして馴れてなついて来たら家に居着いて貰うってどうだ? 妖怪の手懐け方は探しても無かったので、野生動物を手懐ける方法を調べ回った。
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