507 / 521

突発SS『甘いのは苦手です』6 最終話

祥悟を先に個室に押し込んで、自分も後から入ると、ドアを閉めて鍵をかけた。 ここの個室は意外に広い設計になっているが、大の男2人が入ると流石に狭い。 智也はペットボトルの水を口に含んで、祥悟の顎を掴んで上を向かせた。 祥悟はバツの悪そうな顔をして、こちらを睨みつける。 「もう……。自業自得だよ、祥」 智也はめっと怒った顔をしてみせてから、祥悟に顔を寄せた。 唇を押し包み、含んだ水を彼の口に注ぎ入れていく。祥悟はすがり付くようにこちらの両腕を掴んできた。 いったん唇を離すと、祥悟が口移しの水をゴクリと飲み下す。噎せたのか、また咳き込んだ。 口の中に変な甘さとピリピリする辛さが残る。 こんな味のキスは初めてだ。 「もっと、飲む?」 祥悟は恨めしげにこちらをちろっと見て頷いた。智也はまたひと口、水を含むと、祥悟の背中を個室の壁に押し付けるようにして、顎を掴んで上を向かせた。祥悟はまだ目を潤ませているが、苦しそうな表情はだいぶ和らいでいた。 智也は苦笑してみせてから、また彼の唇をそっと塞いだ。 繋がった口の間で、冷たい水が移動する。祥悟はすぐには飲み下さず、流れ込んだ水をこちらに押し返してきた。その水ごと彼の舌を唇で包み込む。 祥悟の鼻から、甘い吐息が漏れた。 智也は、ペットボトルをペーパーホルダーの上に置いて、両手で祥悟の顔を包み込むように押さえた。 「ん……ふぅ……」 再び押し戻した水を、祥悟はコクリと飲み下すと、こちらの背中に腕を回してくる。 舌を深く絡め合いながら転がしているうちに、変な味のするキスはだんだん甘さを増していく。 薄目を開けて祥悟の表情を窺うと、長い睫毛を震わせ、目元をうっすらと染めている。 智也は唇を解くと、祥悟の濡れた唇を親指でくいっと拭った。 「もっと……飲みたい?」 「……水は、もういらない。おまえのキス……もっと、ちょうだい」 何故か悔しそうな顔をしてぼそっと呟く祥悟に、愛しさが込み上げてくる。 意地っ張りで負けず嫌いで、時々こちらが思いもよらない、突飛な行動をする可愛い恋人。 素直じゃないから時々ハラハラさせられるけど、やっぱり大好きだ。 「いいよ。いくらでも、してあげる」 智也はふふ……っと笑うと、ツンとすました祥悟の唇に、しっとりと唇を押し付けた。 ~完~ ソフトクリームと七味の日、ということだったので、甘い2人の日常エピソードでした。 この後、2人はすっかりその気になってしまって……? この後の2人の行動は、読者さまのご想像にお任せします(笑) リクエストがあれば……詳しく書きますけど。 月うさぎ 次は、ひとつ前のSSの後日談を更新しますね。CPは……暁と祥悟……?
いいね
笑った
萌えた
切ない
エロい
尊い

ともだちとシェアしよう!