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いい兄さんの日SS「そんな1日(薫×樹)」11※

ぽろぽろと零れ落ちる涙を、薫は伸びあがって唇で吸い取ってくれる。樹は勝手に震えてしまう身体に、ぐっと力を込めた。 ……怖くない。大丈夫。 「にいさん、……っ好き…っ」 「ああ。俺もだ。大好きだよ、樹」 薫はにっこり笑うと、再び胸に顔を埋め、暖かい唇を押し当てた。 樹は目を必死に見開いて、薫のすることをじっと見守る。 込み上げてくる恐怖と、大好きな兄に優しく愛撫されている喜びと。まったく正反対の激しい感情が、心の中で揺れ惑う。 「可愛いな、おまえのここ。すごく可愛い」 薫の唇が、ピアスの穴を避けるようにしながら、乳首の周りをちゅっ……ちゅ……っと触れていく。 その度にぴくん…ぴくん…っと勝手に身体が跳ねた。 薫はこちらが怯えないように、優しく優しく唇を這わせていく。その触れ方は、まるで大切な宝物を愛おしむように、柔らかくて温かい。触れられた場所から兄の気持ちが流れ込んでくるようで、樹は嬉しくてきゅっと目を細めた。 「にい……さん……」 「怖がらなくていいんだぞ、樹。何も心配は要らない。にいさんはおまえのどんなところも、ありのままのおまえが好きだ。自分でもどうかしてるって思うくらい、おまえのどこもかしこも大好きなんだ。だからおまえは、何も考えないで感じるままにしていればいいよ」 薫は唇で尖りの先をちゅっと吸うと、顔をあげ照れたように笑った。 「おまえは、おまえだから、好きなんだ。俺の言葉を信じてくれるか?」 樹はふぅうっくっと堪えきれずに泣き声をもらし、頷いた。首を振る度に雫がぽろぽろと零れて、見上げる兄の頬を濡らす。 「おまえの涙はすごく綺麗だ。でも哀しくて流す涙は、にいさん、見ていて辛い。おまえがもっと、嬉しい涙を流せるように、にいさんはおまえを愛していくよ」 薫はひとことひとことをこちらの心に刻むように、ゆっくりはっきりと語りかけると、乳首の周りに今度は舌を這わせ始めた。熱くてざらざらした薫の舌が、丹念に肌を舐めていく。 全部、綺麗にしてくれるのだと言った。その言葉通り、薫が触れてくれる場所が塗り替えられていく。 まだ心は時折、恐怖に竦み上がる。じわじわと生まれてくる悦びを、嫌悪してしまう自分がいる。 それでも樹は、目を逸らさずに薫を見つめ続けた。 生まれ変わりたい。 兄に愛されるに相応しい綺麗な身体に。 過去は変えられないとわかっていても、そう願ってしまう。 苦しくて両手で兄の顔を引き剥がしたい衝動にかられながら、樹は必死に踏みとどまっていた。 「樹……そろそろいいか?これを、外すよ」

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