『はじまりの恋』第906話 別離(1-1)挿絵描かせて頂きました。
    腕の痛みがひどくて血の気も引いて冷や汗が流れる。頭もガンガンと痛み、意識がぼんやりとした。目を閉じて痛みをやり過ごす、そんな中で微かに自分を呼ぶ声がする。藤堂の声だ――その声は薄れそうになる意識を呼び戻す。しかし腕を伸ばして藤堂に触れたいと思うのに、痺れた指先はぴくりとも動かない。 「佐樹さん!」  急にドンと身体になにかがぶつかったような衝撃を感じた。それと同時に僕の腕を掴んでいた後ろの気配が消える。けれど重みで身体は揺らぎはしたが倒れることはなかった。瞬きをして目の前を確かめてみると、金髪の男が真っ青な顔をしてこちらをじっと見ていた。男は僕と目が合うと後ずさりをして、足をもつれさせる。そして尻餅をついてその場に倒れこみながらもさらに後ろへと下がっていく。  手には鈍く光るなにかが握られている。 「藤堂?」  少しずつぼんやりとしていた感覚が戻り、やっと自分が抱きしめられていることに気づいた。あんなに冷えていた身体が温かいぬくもりに包まれている。重たい身体を動かして腕を持ち上げると、藤堂が抱きしめる力を強くしてくれた。けれどなんだろう、なにかがおかしい。 「ごめん佐樹さん。巻き込んで」 (*小説お借りしています)

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    生徒×教師――僕らの出逢いはきっと必然だった。好きになるのに理由も時間もいらない。
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    1096話 / 745,107文字 / 380
    2019/1/4 更新