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たぶんこれは発情期※②

 ユージンはその様子をみて、またニヤリと口元に笑みを作った。 「あー、そっかそっか、発情期かぁ。じゃあ、運命のアルファの俺がどうにかしてやんねえとなぁ」  恥ずかしさから俯いたままのリュカの腰に手を回したユージンはソファの上で少し腰を浮かせてその距離を詰めた。リュカの体を胸元に抱え込みながら、顔を覗き込んでくる。 「だ、ダメだ! 発情期の接触は危険だ! まだ(つがい)になるわけにはいかない! 先にお父様やお母様、それにお兄様やお姉様達にも挨拶を済ませなければ!」  言いながらリュカは両手で頸を抑え、ユージンから距離を取るかのように背中を逸らした。  しかしユージンはリュカの二の腕のあたりを掴みながら追いかけるようにして、リュカの上に覆い被さった。 「大丈夫だって、噛まなきゃいいんだろ?」  ユージンは意外にもちゃんと「医学書」の内容を読んでいたようだ。そう言って宥めながら、手元はリュカのシャツの裾を捲っている。 「我慢……出来るのか?」 「まあ、大丈夫じゃね?」  ユージンは軽薄な口調で答えると、完全にソファの上にリュカの体を押し倒した。焦って瞳を泳がせるリュカの唇に、またユージンの唇が重なっていく。  咄嗟にリュカは強く瞼を閉じた。先ほどは突然だったので忘れていたが、「キス」をする時は目を閉じるものなのだと流石のリュカも知っている。  瞼と一緒に結ばれた唇の隙間をユージンの舌先がなぞった。しかし、唇を閉ざしたまま瞼を強く閉じて肩を強張らせているリュカの様子に、ユージンは息を漏らして小さく笑った。 「王子様、ガチガチじゃん。ちょっと口開けろって」  言われるがままリュカが薄く唇を開くと、ユージンの舌がそれをこじ開けた。歯列をなぞりながら、内部で戸惑うリュカの舌先をくすぐり、引き寄せるように裏側を舐めると唇で喰んだ。  リュカは必死に不器用な呼吸を繰り返し、ユージンの服の裾を握りしめている。 「ね、今更なんだけどさ、オマエ成人してる?」  唇を離して問いかけたユージンに、リュカは言葉を発せないままただこくこくと頷いた。  その答えを確認したユージンの手が、捲し上げたシャツの隙間からリュカの腰を滑り背後に回る。  背中の窪みを指が滑り、ボトムのウェストから尻の割れ目をたどって下着の中へと入っていく。  リュカは皮膚を撫でるくすぐったい感覚に息を弾ませた。  ユージンはリュカの尻の皮膚を撫でながら、もう一方の手で何やらソファの下を漁っている。ユージンが取り出したのは何やら粘性のある液体が入った透明の容器だ。それを手の届きやすいローテーブルの上に置いている。  ユージンは下着に入れ込んだ手を滑らせて、もう一方の手でリュカの衣服のウェスト部分を掴むとそれを太ももあたりまで引き下した。そのままリュカの膝裏を持ち上げやや横向きに体を丸めさせると、露わになった双丘の間に指を滑らせながら、また宥めるかのようやリュカの唇の間に舌を入れ込みわざとらしい音を鳴らした。 「んっ……ユージン……このヌルッとしたのはなんだ……」  リュカは自身の顔に熱が上り、紅潮するのを感じながら眉を寄せた。  塗りつけられた粘性のある液体が、リュカの孔の入り口を撫でるユージンの指の動きに合わせて湿り気のある音を鳴らしている。 「なにって……ローションだけど。まさか、こっち初めて?」  言いながら、ユージンは入り口を撫でていた指をローションで滑らせ入れ込んだ。 「んっ……」  リュカは小さく体を跳ね上げ、しがみついたユージンの腕に額を寄せる。 「は、初めてではない……!」 「ふぅん、じゃあ、遠慮はいらないな」 「あっ……!」  ユージンのもう一本の指が入り込む。  

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