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第24話

 そう言われてしまうと言葉が出てこない。 確かに疾風のいう通りだからだ。 「そういうこと! なら、そうしようか!」  すると疾風は一回ビデオの停止ボタンを押し、ベッド脇にあるタンスの中からリングを回しながら持ってくる。  再びビデオカメラを手にすると、録画ボタンを押し四つん這いになっている翼の後ろからそのリングを付けるのだ。 「これで、しばらくお兄ちゃんはイけないね……。 でも、その分、今日はめいいっぱい楽しもうねぇ。 もう、お兄ちゃんはココだけで十分気持ち良くなれるんだから、イかなくても大丈夫でしょ?」  そう言われても男としてイけないのは辛いのは分かっている。 確かに翼はもう中だけでも気持ちはいいのだが、もっと気持ちがいいのは白い液体を出してイった瞬間だからだ。  イけないもどかしさと気持ちがいいの狭間でこれから体の中で戦いが起きるだろう。 きっと疾風のことだから、どんなに翼が『イきたい!』と叫んでもイかせてくれないのは目に見えている。 「さーてと……再開しますかー! んー、でも、お兄ちゃんが自分で自分の中に玩具とか指とか入れてるのも見てみたいなーって思ったんだけどなぁ」 「だ、だけど……そ、それは……俺が言うこと聞かなかった時の……約束だろ?」 「……ってことは、お兄ちゃんは自分ではしたくはないってこと? んー、せっかく、ビデオ撮ってるし、僕だって片手塞がってるし、お兄ちゃんのこと中途半端に気持ち良く出来ないかもよ。 それに、今日は僕の言うことを聞くって約束もあるしね。 って、ことは、どっちにしろお兄ちゃんは僕の言うことを聞かなきゃならないんだから、今日は自分でもやってね……」 そう言われてしまうと約束の意味も無いのは気のせいであろうか。 そこに気がついてしまった疾風の勝ちだろう。 もう言い訳なんて出来なくなる。 「じゃあ、お兄ちゃん! 座ってね。 それで、最初は指を自分の中に入れて……それで、気持ち良くなってみてよ……」 言うことを聞くと宣言してしまったのだから、仕方なく翼は疾風の指示に従いベッドの上に足を広げ座ると、ローションを手に付けゆっくりと中に指を入れていく。  疾風は翼の横に向かいビデオを撮り続ける。 そして翼の前には鏡が見える状態だ。 「ぁ……はぁ……ん」 「どう? 自分で自分の中に指を入れてみた感想は?」 「ん……ぁ……熱い……っ……」 「それだけ!?」 「あ、ぅ……柔らかい……」 「そう……。 ほら、せっかく鏡があるんだし、目瞑らないで自分の今の姿を鏡でみてごらん……」

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