優しいから怒るこの言葉に隠された思い
哀愁と浪漫と、上質の小説を読ませていただきました。
この文章は凄い、本当に。
文字の流れ、交わされる会話、東京の山手でこんな葉隠れのようにしっとりと情感のある生活が流れていたなんて、
あの時代に戻ってみたい……
拾われた男の子が家政婦になってく過程も戦後ということで自然。彼に懐く娘も又当然のように家族として受け入れられる。時が経ち亡き妻の法要に起きたちょっとしたやりとりでギクシャクする二人。娘に呆れられながらいなされ最後に彼に愛をしっかりと伝える男。愛おしくなる情景に心の中があったかいものでいっぱいになりました。
優しいから怒る……これが愛を心の中にしまいながら育んできた家族のワードなのですね!