驚きの連続で息をつく暇がないっ、禁忌の塔をめぐる獣人オメガバース
軍人狼のヒーローっぷり雄っぷりがたまらんです。けれど軍人狼αと半獣人学者Ωという萌える2人組の恋話だけじゃない、世界観の設定、個性的な脇役達の存在、彼等の言動、ラストではそれらが何一つ無駄のない伏線だったと気付かされ高揚する一作でした。αである獣人達は信仰心が強く、誰も入ってはいけない禁忌の塔がある。主人公は魔法陣に関して優れた学者で、その塔の中にあると推察している魔法陣に興味津々。塔に入るべく、都を旅立つ……。お話全体は作者さんご本人や他の読者様達がおっしゃるように少年漫画をノベライズしたかのような躍動感ある読み心地が面白く、なおかつ後半に入ってからのダークファンタジーやサスペンスと分類してもいい(それと主人公がモブレされる気配の)緊張感が読者の心をくすぐると思います。