紡ぎ合う心。
登場人物の心情がとても丁寧に描かれており、繊細な情景描写にも惹きこまれました。 最初は風景の一部でしかなかった彼の事が徐々に気になり始める不破。約束を取り付けてから、その日を心待ちにしていた不破でしたが、生憎の雨。 久重の相棒へ対する想いも汲み取り、心とは裏腹なメッセージを送ってしまう。 久重からの返信で、子どもの様にはしゃぐ彼の姿が浮かび、拝読しながら私まで頬が緩んでしまいました。 デート当日、ある出来事により、二人の間に変化が… 後半から、久重の心情も描かれており、物語が進んでいきます。(詳しい内容は此処では控えておきます。本編を読んで頂きたい。) 登場人物は大人の男性達ですが、ときめきの気持ちに溢れており、初めて恋に落ちた時の初々しい感情を思い起こしてくれます。 耳が聞こえなくても、口に出さなくとも、互いの心で紡がれる音(想い)が存在する… 心に深く感じ入る物語でした。