不思議な読後感を味わえます
まず設定が好み。 重いテーマを、限られた文字数で綴られていますが、本当に深くていろんな捉え方ができる物語だと思いました。 どのシーンを切り取っても、生者と死者という点で切なさがつきまとい、考えれば考えるほど泣けてきます。 総一はなんのために泰知の前に甦ったのだろう。 それともすべては泰知の妄想だったのか。 二人が体を重ねたシーンは秀逸。萌えたとかではなく、悶えました。 自分が女だったら或いは、と考える泰知が切なくて私の中の不憫受けスキーのツボをめちゃくちゃに押されました。この妄想だけで飯が食える! そしてラストシーン。 こんなに切なく重い話だったのに、泣かなかった泰知にまた胸が震え、切ないようなさわやかなような、不思議な読後感に浸らせていただきました。 文章も、どこをとってもわかりやすく読みやすい。 短編なのに、すごく入り込むことができた作品です。 良いものを拝ませていただき、ありがとうございました!!