読み終わっただけじゃ終わらない物語
言葉じゃ伝えきれなかったのでちゃんと文字で!(テヘペロ)
まずは始まり。(敬称略!)
大好きな雨の日にフラれ不貞腐れた主人公・翠の前に現れた不思議な人・紫。
妖精ですか、と尋ねられ頷く展開は紫の言葉もあり読者に「ファンタジーかな」と「あえて乗った人間かな」のどちらかの思考を植え付ける、さり気ない運び方が物書きの私としては流石の一言。
明記せず読者の中に正体の思い込みをさせたままで翠にとって忘れられない出会いを描いている。
その後の高校生らしい感情や若い思考もよく伝わり、言葉選びから感じるらしさ、文章のレイアウトも非常に読みやすく個人的にめちゃくちゃ好みです!
そして元カノとの一日でも紫のことを思う心情の変化は、その後の告白への展開もまったく無理がない。
更に!初めはほのぼのなコメディめな甘い話かと思われた物語が気持ちの自覚、再開を経て、思い込みの正体へ疑問が生まれる。
紫の発言から「人間だと思ったのにもしかして本当に妖精?」や、翠のごっこ発言から「あれ?やっぱりフリなの?」と言う疑問。
おわりが真実のないままだったが為に、疑問は読者に残る。
まさに読み終わっても思考を捧げてしまう、終わらない物語。
以上!
同時に続編が気になってしまうので、悲しいだけじゃない紫野さんらしさを生かしつつも技術を感じるお話です(`・ω・´)
よいお話をありがとうございます!