圧倒的な筆力とキャラの魅力が素晴らしい
繊細で丁寧で、なのにスッと頭に入ってくる巧みな描写。 加えて、ゆずさんが書かれるキャラクターはとても人間味があって、「生きている」と感じます。 切なさ、苦しさ、嬉しさ、楽しさ、愛おしさ…様々な感情に揺れ動くキャラの心情がお話を通して見えてくるので、 読み手としても強く引き込まれます。 他人の感情に敏感で、だからこそ少し臆病な律くんも、 屈託なくて飄々としているけれど、気遣いの出来る大人な千尋さんも、 どちらもしっかり「男性」としての魅力に溢れていて堪りません。 随所に散りばめられた、ゆずさんのセンスが光る言い回しも素晴らしいです。 UNIQUEを初めて見た律が、虚しさや悲しさではなく怒りを覚えたところなんて、さすがです…!と思ってしまいました。 読み始めると一気に読み進めてしまう、素敵な作品でした!