望んでも余命一ヶ月まで得られなかった物を与えてくれた宣告者に捧げる物語
 〝死〟が何たる事かわかる程〝生〟を実感できなかった義人くんの前に現れたのは、初めて自分だけの為にここまで足を運んでくれた宣告者デュラさん。  求めても求めても得られなかった、会いに来てくれたのが例え死を告げる者だろうが愛おしくなる程乾いていた。  義人くんがともすれば悪者だと思ってもおかしくないデュラさんに迷い無く好きだからそばに行くと笑うのは、それだけ深い孤独を感じていたと想像し胸打たれてしまいました!  死にそうになって漸く感じた幸せ。愛する人のそばにいる幸福を知って死に恐怖を感じ、生まれる行動や思考が、義人くんの感情をキチンと物語ってくれる。感情の波のあるがままに、最後まで書き上げられている一品!  そこまでがあるからこそ、健康になろうともたった間際の一瞬の為に階段へ向かったかれの心情。素晴らしいです! キャラクターの気持ちに入りやすく、心の赴くまま読むことができました。  素敵な時間をありがとうございます!  PS.純真無垢バージョン木樫口調