52Hzの歌のレビュー
(ネタバレと言えるほどの表現があるか分かりませんが『有』とさせていただきます) 今回は素敵な作品を公開&完結していただき、誠にありがとうございました。 楓先生の作品は世界観が大好きなので、今回も楽しく読んでしまったです。 オメガバースの見せどころと言えば、Ωまたはα故の苦悩とか、世間からの風当たりとか、自分ではどうしようも出来ない現実に打ちのめされないようどう立ち向かっていくかとか……そういう、人間臭さとか人間らしさだと思います。 こちらの作品は、それが全部入っていました。主人公は他と比べられ、全てを自身の性別(Ω性)のせいにしてしまったり、自分はΩで好きな相手がαだからこそ逃げてしまったり、過去の境遇からちょっと素直になれなかったり……実に人間らしいです。余談ですが、私、人間、大好き。だからそういう心情とか展開とか、大好き。Q.E.D. BLオメガバースで(おそらく最も)重要視されているスケベパートもありました。楓先生の作風は綺麗なので、スケベも綺麗です。綺麗なスケベは心が洗われます。読んでいて恥ずかしくないです。そんな方にオススメ(どんな方)。 言葉では表せないのですが、楓先生らしい描写も沢山ありました。特に【その節は】以降の描写とか言葉づかいとかは凄く楓先生らしくて、一ファンとしてはとても楽しくなっちゃいました。『あぁぁ! コレ、絶対楓先生好きな言い回しでしょ! 私も好き!』みたいな感じです。その人らしさって言葉では説明出来ないので、是非とも皆様の目で確かめてほしいです。出来れば最初から読んでほしいですが……。 ここはもう圧倒的ネタバレですが、してやられました。真夜中さん、卯姫子チャンだったんですね……。私、凱虎だと思っていました。別に、推しに花を持たせたい精神とかじゃないですよ。本当に、違いますよ。私の推しは凱虎です。いい感じに残念で好き。 だから読んでいて『何だってぇええ!』と言いたくなりました。あぁいう気持ちのいい裏切られた感、大好きです。にしても切ない。自分で自分の恋敵を後押し&応援してしまったんですね。そういう展開も好きです。 相変わらずレビューの文字数制限によって、私のレビューは打ち止めとなります。少しでもこの作品に対する気持ちが伝わっていると幸いに存じます。 本当に素敵な作品をありがとうございました。連載、お疲れ様でした。