本物の鬼とは?
戦国時代を舞台に描かれた桃太郎の物語は、大河ドラマの様な重厚な雰囲気の文章で彩られ、読み応えがありました。 殺伐とした世相を象徴する様に国主の野望とその鬼畜な所業が語られ、その混沌の中で桃太郎の兄が非業の死を遂げていた事が明かされた時、ぞくっとしました。 最初に語られた桃によってもたらされる奇跡を最終章でまた語られるのですが、その結果が真逆である事も因果応報を表す様で世の無常が面白い。